2019年内にやっておかないと損する節税対策
令和になって初めての年末。今年も残すところわずかになりました。
年が明ければ、確定申告がやってきます。
そこで今年中にやっておかなければならないことをまとめてみました。
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1. 令和2年の増税に備えているか
令和2年から所得税が大きく変わります。
給与所得控除、公的年金等控除が10万円下がり、基礎控除が10万円上がります。
多くの方が増税になるわけではないのですが、下記にあてはまる一部の方が増税になります。
給与収入850万円以上のサラリーマン
給与所得控除の上限額が、年収850万円、控除額195万円で頭打ちになります。
年金以外の所得が1,000万円を超える年金受給者
年金以外の所得が1,000万円を超えると、公的年金等控除額が10万円減額され、年金以外の所得が2,000万円を超えると、公的年金等控除額が20万円減額になります。
上記の方が不動産賃貸経営をしている場合、給与所得、雑所得が上がることにより、全体の所得が上がってしまうため、増税になります。
つまり、令和元年よりも令和2年の方が増税になる可能性が高いのです。
もし、年末に経費を使うことを考えているのであれば、年が明けてから経費を使う方が、よいかもしれません。
経費は高い税率のときに使った方が効果的だからです。
2.配偶者控除の所得制限
平成30年度から配偶者控除について、合計所得金額900万円を超えると控除額が下がり、1,000万円を超える場合には、適用できなくなっています。
合計所得金額900万円を少し超えてしまったことで、昨年よりも控除額が減って、増税になった方が多くいらっしゃいました。
合計所得金額900万円、1,000万円以下になるように意識して経費を使ってコントロールしましょう。
3.小規模企業共済の加入
小規模企業共済とは、個人事業主の退職金制度です。
掛金として支払った全額が所得控除になります。
掛け金は、月額最大70,000円。年間で84万円が控除できます。
生命保険料控除が最大12万円ですので、それと比べると、大きな節税ができるといえます。
年払いも可能ですので、12月に84万円掛金を払って全額所得控除にすることも可能です。
加入手続きは、委託団体や代理店として契約を結んでいる商工会議所や青色申告会、銀行、信用金庫の窓口で加入することができます。
また、税理士を通じて税理士会でも加入することが可能です。
事業的規模に該当するなどの要件があるため、確定申告書の控えなどを持っていく必要があります。
事業的規模があっても、サラリーマン大家さんは加入できないことになっておりますのでご注意ください。
4.ふるさと納税の活用
一定の算式により計算された上限(課税所得金額の2%程度)までは、2,000円の負担で全額所得税・住民税から控除されます。
上限額の計算は、今年の所得により計算されます(予測で計算するしかありません)。
今年、不動産を売却して譲渡益が出ているのであれば、上限額が増えている可能性が考えられるので、積極的にふるさと納税をしたほうがよいでしょう。
5.消費税の届出
2020年に課税事業者になってしまい、消費税を納める金額を少なくしたい場合は12月31日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要です。
簡易課税制度では、「みなし仕入率」というパーセンテージを使い、売上にそのパーセンテージをかけたものを仕入れにかかる消費税とみなすということにしています。
不動産賃貸に係る「みなし仕入率」は40%
不動産の売却に係る「みなし仕入率」は60%
太陽光発電収入に係る「みなし仕入率」は70%
個人の場合、課税事業者かどうかの判定は、原則、前々年(基準期間)の課税売上高が1,000万円超になります。
事務所や店舗の賃料や駐車場の賃料があれば、自分が課税事業者になっているかどうかの判定は比較的わかるかと思いますが、気づきにくいものとしては、2年前に1,000万円を超える建物(事業用)を売却している場合です。
今まで住宅用の賃料収入しかなく、免税事業者になっていたとしても、建物の売却があれば2年後には課税事業者になるので、注意が必要です。
6.消費税還付の規制
賃貸用の建物の消費税還付のために、金の売買を繰り返している方がいらっしゃいます。
現在、金の売買は、課税売上と認められていますが、令和2年の税制改正によって、課税売上と認められなくなる可能性があります。
本業とはまったく関係ない金などの投資商品の取引を繰り返して売上高を増やし、消費税の還付を受ける手法が広がっているため、オーナーに還付されないように改正の調整をしていると先日ニュースがありました。
どのような改正内容になるかは、まだわかりませんが、今後は金の売買による課税売上をカウントするのが難しくなりそうです。
一方で、国民が予知できない法律の適用ができないことから考えると、この改正がされる前までは金の売買による課税売上はカウントされる可能性が残されています。
したがって、もし今後、金の売買による課税売上を上げるのであれば、年内に実行する方がよいのではないでしょうか。
年末までにやることを明確にして、対策が間に合わなかったとならないようにしましょう。
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