不動産投資コラム

売電料金が半額以下に…太陽光発電投資のリスク

2020/02/16
売電料金が半額以下に…太陽光発電投資のリスク

前回、太陽光発電投資を始める前の基礎知識では太陽光発電の概要とメリットについて取り上げましたが、2回目となる今回は投資家の方が一番気になるデメリットの部分に切り込みたいと思います。

不動産投資と比較しながら、どのような点がデメリットになるのかについて見ていきましょう。

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デメリット1:買取価格の下落

これから太陽光発電投資を始めてみようかと考えている方に必ずお伝えしたいのが、電力買取価格の下落です。

前回のコラムで、発電した電気については「固定価格買取制度」によって、一定額で電力会社が買い取ることになっているとお伝えしました。

確かに買取自体を国が約束してくれているので投資家として安心ではあるのですが、問題なのは電気の買取価格の推移にあります。

売電料金は当初の半額以下になっている

固定価格買取制度が導入された2012年時点では、売電料金が1kwあたり40円と比較的高値だったのに対し、それ以降は次のように年々下落しているのです。

【産業用1kwあたりの売電料金(税別)】

売電料金

このように比較してみると、売電料金は制度開始当初の半額以下にまで大幅に下落していることがわかります。

そもそも固定価格買取制度は、太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及を目的として行われた制度のため、当初は高い売電料金を設定していましたが、再生可能エネルギーの普及に合わせて下落してきているのです。

不動産投資の場合、近隣の家賃相場が下落していたとしても、リノベーションなどの設備投資によって物件に競争力を持たせれば、下落する相場に対抗できる可能性があります。
しかし、太陽光発電投資の場合は固定の買取価格に依存するため、不動産投資のように試行錯誤しても収益が伸びません。

ここ数年でソーラーパネルの低価格化が進んできてはいますが、売電料金の下落スピードに追いつけていないため、投資として以前ほどの旨味はなくなってきていると見るべきでしょう。

デメリット2:将来の廃棄費用の強制積み立てが始まる

太陽光発電投資で忘れてはならないのが、事業を終了する際のソーラーパネルなどの廃棄処分費用です。

太陽光発電投資が一大ブームとなったことで、2030年頃から使えなくなったソーラーパネルが大量に廃棄されることが懸念され始めており、国が具体的な対策に乗り出しました。

経済産業省が行った有識者会議において、太陽光発電事業者に対して一定の関連費用について10年間積み立てることを義務付ける方針で大筋了承され、来年の通常国会での法改正を目指しているそうです。

廃棄費用の積み立ては、自身で定期預金などに積み立てておくのではなく、原則として「外部積立」とし発電事業者から費用負担調整機関が直接積立金を差し引くことで強制的に積み立てを行います(一部の大手事業者を除く)。

つまり、サラリーマンでいうところの源泉徴収的な感じで廃棄費用の積み立てが行われるということです。

廃棄費用の積み立て自体は将来のコスト負担を考えれば妥当ですが、強制的に差し引かれることを考えると、今後は積立金部分については除外して利回りやキャッシュフローを考える必要があるでしょう。

デメリット3:天候リスクが神頼み

太陽光発電投資のリスク

太陽光発電は、文字通り太陽の光がソーラーパネルにあたることで発電するため、発電量については日々の天候に大きく左右されます。

曇りや雨の日が多くなると必然的に収益が下がってきますが、投資家としてできることは残念ながらありません。
天候リスクについては人の手でどうにかできる問題ではないので、ある程度キャッシュフローに余裕をもたせながら経営していくほかないでしょう。

太陽光発電の斡旋業者によっては、日照時間が少ない場合に一定額を保証するようなプランもあるようですが、これについては不動産投資の家賃保証と同じで、将来的に保証が打ち切られる可能性も考えておく必要があります。

自然災害リスクがエグい

雨続きで発電量が減ること以上に深刻なのが、地震や台風、大雨などによる災害リスクです。
ソーラーパネルは通常の雨天であればなんら問題ありませんが、台風や集中豪雨などで本体が浸水すれば当然壊れます。

太陽光発電投資は、広大な土地にソーラーパネルを直接設置しているため浸水や洪水の被害をもろに受けやすいとともに、台風の風にソーラーパネルが煽られて吹き飛ばされてしまうリスクもあるのです。

ソーラーパネルはメーカーの保証が付いていますが、台風などで破損した場合は保証対象外なので注意しなければなりません。
また、ソーラーパネルが吹き飛ばされて建物や人にぶつかったりすると、相手方から損害賠償請求される恐れもあります。

ソーラーパネルは屋外に設置するため、災害リスクについては不動産投資以上に大きなリスクになるのです。

デメリット4:固定資産税の負担が大きい

不動産投資よりも不利なのが「固定資産税」です。
太陽光発電投資をした場合、設置する土地自体の固定資産税に加えて一定の要件を満たす太陽光発電設備についても固定資産税の課税対象となります。

太陽光発電設備の優遇制度が打ち切りに

太陽光発電設備については、3年間にわたって固定資産税が2/3に優遇される特例措置が設けられていましたが、2017年から自家用型のみに限定されてしまったため、産業用で発電しているものについては優遇措置が打ち切られました。

なお、太陽光発電設備の評価額が150万円以下であれば固定資産税は課税されません。

土地の固定資産税はアパートより不利

更地を所有している方については、アパートなどの賃貸物件を建てて他人に賃貸することで「小規模宅地の特例」が適用されるため固定資産税が大幅に減額されます。

  • 200㎡までは1/6
  • 上記以上は1/3

上記のように固定資産税が軽減されます。

土地にソーラーパネルを設置しただけでは住居とみなされないため、アパート経営であれば受けられる特例が適用できず固定資産税が割高になります。

このように太陽光発電投資は不動産投資とは違ったデメリットが複数存在しています。
特に売電料金については、かつてのプチバブルのような価格設定から大きく下落していますので、その点をよく頭に入れた上で検討することが大切です。

次回の最終回では、太陽光発電投資の始め方や諸費用、必要コストなどについて詳しく解説します。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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