不動産投資コラム

太陽光発電投資を始める前の基礎知識

2020/02/16
行政書士棚田 健大郎
太陽光発電投資を始める前の基礎知識

投資には様々な種類がありますが、数年前から一部の投資家の間で「太陽光発電投資」が注目を集めているようです。

ただ、ネットの情報などを見てみると、「高利回り」などのメリットが多く書かれている一方で、思わぬリスクで失敗してしまったという声もあり、実際のところどのようなメリット、デメリットがあるのかについてわかりにくい、という方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、太陽光発電投資のメリット、デメリットから太陽光発電投資の始め方まで、全3回にわけて客観的な目線で解説していきたいと思います。

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太陽光発電投資とは

太陽光発電投資とは、土地に太陽光発電をするためのソーラーパネル(太陽光パネル)を設置し、発電した電力を電力会社に売る(売電)することで利益を得る投資法のことをいいます。

簡単にいうと、個人で小さな太陽光発電所を経営するようなイメージです。

ソーラーパネルというと最近では一般家庭の屋上に設置することもありますが、太陽光発電投資では広大な土地に多くのソーラーパネル(メガソーラー)を設置することで、まとまった電力を発電し、売電します。

太陽光でどのくらい発電できるのか

自宅の屋根に太陽光パネルが付いていない人からすると、そもそも太陽光発電でどの程度の収益が得られるのか見当がつかない事と思います。

例えば年間発電量が120,000kwhと仮定すると、2019年現在、1kwあたりの電力買取価格は14円/kwに設定されているため、年間想定収入はおよそ168万円です。

この規模の太陽光発電であれば、初期投資額としては1,500万円~2,000万円くらいで、利回りでいうと10%前後になります。

太陽光発電投資の4つのやり方

太陽光発電投資はソーラーパネルの設置場所となる「土地」の調達方法によって、次の4つのやり方があります。

【自己所有型】

もともと自分自身で所有している土地にソーラーパネルを設置するやり方です。
初期投資費用がソーラーパネルの設置費用だけに抑えられるので、当然利回りとしては高くなります。

ただし、それなりの広さの土地が必要になるため地方で1ヘクタール程度保有していなければ難しいかもしれません。

【土地購入型】

ソーラーパネルを設置する土地を探して購入するやり方です。
土地の購入費用が大きな出費となりますが、日照条件のよい土地を自ら選んで購入できるというメリットがあります。

【土地賃貸型】

購入するのが難しいという場合は、土地を借りてソーラーパネルを設置するやり方もあります。

初期投資を低く抑えられますが、地代負担が発生するほか将来的に更地にして返還する際の費用も見込んで検討しなければなりません。

【ファンド型】

自ら太陽光発電をするのではなく、太陽光発電をしている事業者に投資して配当を得るやり方です。最近では、クラウドファンディングでも気軽に太陽光発電事業に投資することが可能で、1口1万円という少額から始めることもできます。

このように、太陽光発電投資にも、いくつかのやり方があることがお分かりいただけたでしょうか。

太陽光発電投資のメリット

太陽光発電投資のメリット

太陽光発電投資のメリットについて、あくまで客観的視点で不動産投資と比較しながら解説していきたいと思います。

メリット1:固定価格買取制度(FIT)でローリスクである

2012年に施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別設置法」によって、再生可能エネルギーで発電した電力について、電力会社が一定額で20年間買い取ることになりました。

電力の買取について国が約束してくれるため、投資家としては安定した売電が可能になり、天候リスクを除けば非常に安心して投資ができるようになったのです。

どうやって電力を買い取っているの?

投資家から電力を買い取るとのことですが、そもそもの財源が気になるところです。
実は電力の買取に要する費用については、国民すべてが負担する「再生可能エネルギー賦課金」から充当されています。

皆さんのご家庭でも毎月の電気料金の明細を見ていただくと、「再エネ賦課金」といった項目があり、毎月の使用電気量×2.95円が請求されているはずです。

このように安定した買取制度が確保されていることから、投資家自身で買取先を探す必要はありません。

2017年4月に制度が一部変更に

改正前までの制度では、太陽光発電の設備関係の認定のみでしたが、2017年4月からは事業計画についても認定の対象になったため、制度の利用にあたり「事業計画書」の作成が必要になりました。

これにより固定価格買取制度を利用するためには、すでに売電をしている投資家の方についても、事業計画書の提出が義務付けられたのです。

なお、固定価格買取制度については思わぬ落とし穴もあるため、それについては、次回詳しく解説します。

メリット2:空室リスク、家賃滞納リスクがない

電力会社が常に一定額で買い取ってくれることから、不動産投資のように空室や家賃滞納によって収益が大幅に落ちる心配がありません。

空室リスクや家賃滞納リスクは収益が下がることだけでなく、空室を埋めるための営業活動や滞納家賃を回収するための業務に多大な労力がかかることも大きなリスクです。

太陽光発電投資であれば、そういった煩わしい業務を抜きにして安定収入を確保できます。

メリット3:金融機関の融資が利用できる

不動産投資の醍醐味といえばローンを活用した「レバレッジ効果」ですが、実は太陽光発電投資についても金融機関からの融資を活用することが可能です。

最近では信販会社などで太陽光発電に特化した「ソーラーローン」などもあるため、ある程度の収益性を事業計画書で示すことができれば、不動産投資よりも簡単にローンが組めることもあります。

メリット4:維持管理が簡単でコストも抑えられる

アパート経営などの場合は、賃借人が退去する度に内装費などの原状回復費用の負担が必要になりますが、太陽光発電投資については基本的に太陽光パネルが壊れるまで使い続けられるためランニングコストがある程度抑えられます。

ソーラーパネルの寿命は20年以上といわれているため、固定価格買取制度を利用している20年間については、交換コストがかからない可能性が高いでしょう。

また、一度設置したら基本的には定額の管理料など以外の出費についてはほとんどなく、賃貸経営のように管理に手間がかかることもありません。

メリット5:境問題の改善に貢献できる

再生可能エネルギーである太陽光発電をすることで、自分自身の利益という枠を超えて地球環境の改善にも貢献できるという点も大きなメリットといえるでしょう。

このように太陽光発電投資は、不動産投資とは違ったメリットがあります。

ただ、不動産投資が「人」相手の事業であるのに対し、太陽光発電投資は「自然」相手の事業であるがゆえにそれなりのリスクがあることも事実です。

そこで次回は、太陽光発電投資における「デメリット」について切り込みたいと思います。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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