不動産投資コラム

withコロナで高まる「地方移住」への関心

withコロナで高まる「地方移住」への関心

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、人々の暮らしや考え方が確実に変わってきています。
前回 は不動産に関連する分野で、都心部のオフィスマーケットについて説明させていただきました。
今回はこれに繋がっていく部分ですが、地方移住をテーマにしてお届けしたいと思います。

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地方移住に対する意識調査

まずは、新型コロナの影響が広がってきた後に内閣府が実施した調査がありますので見てみましょう。
主な調査項目として「生活意識の変化」、「生活行動の変化」、「将来の生活意識・行動の変化」というのがあります。
その中で地方移住に関するものとして、「今回の感染症の影響下において、地方移住への関心に変化はありましたか」という三大都市圏居住者への質問です。

回答としては、全体では「関心が高くなった」が3.8%、「関心がやや高くなった」が11.2%で、「関心が低くなった」の3.5%、「関心がやや低くなった」の1.8%を上回っています
地域別、年代別で見た場合、東京都23区に住む20歳代の関心が特に高くなっています
「関心が高くなった」と「関心がやや高くなった」の合計は35.4%となっており、家賃など住居費の高い都市部に住む人ほど高い関心を示す傾向にあることが分かりました。

地方移住関心

さらに、同調査の中で興味深かったのは、テレワークを実際に経験した人は、経験していない人に比べて、地方移住に対する関心が高まったという結果です。

新型コロナの影響下において、(テレワークを実施していない)通常通りの勤務だった人では、「関心が高くなった」は2.5%、「やや関心が高くなった」は7.5%でした。
これに対し、テレワーク経験者では「関心が高くなった」は6.3%、「やや関心が高くなった」は18.3%と関心の変化に大きな差が出ています。
これはテレワークを経験した人は、遠隔でも仕事に支障がないことを認識したということではないでしょうか。

現実問題テレワークでは対応できない職種もありますが、会社でテレワークを認めている職種におけるこの意識の変化は理解できるところです。

地方移住関心2

内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」

実際に移住した人に対する意識調査

では、次に実際に地方移住を経験した人のアンケート調査についてご紹介します。
移住前の人に対する意識調査は民間も含めて数ありますが、ある程度母数のある移住後の調査は少ないのが現状です。
ここでは、三重県が地方移住経験者に対して行った意識調査をご紹介します。

移住後の「理想と現実のギャップ」

まず「理想と現実のギャップ」についての項目です。
ギャップがあると答えた人の中では、「都市部よりも地方のほうが生活費は安くなると想像していたが、実際は物価の高さや車の燃料費など想定よりも生活費がかかった」、つまり「物価の高さ」との回答が14.5%に上っています。
地方は物価が都市部より安いというイメージがあるかもしれません。
しかし、実際は買い物にしてもそもそも店が少ないので、競合が起こりにくく価格競争原理が働かなかったり、車がないと不便な場所が多いため、ガソリン代などが思いのほか多くかかったりするということなのでしょう。

次いで、「自然環境の豊かな田舎暮らしに憧れていたが、実際に住んでみるとインフラや都心へのアクセスなど生活が不便に感じることがあった」が12.0%ありました。
ただ個人的には、ギャップが「特になし」という回答が52.5%と最も多かったのが意外です。
移住前にしっかり調査して、覚悟のうえで移住を決めている人が多いということでしょうか。

地方移住・理想とギャップ

移住前後の「幸福度」

続いて、同調査においては移住前と移住後の「幸福度」を尋ねた項目があります。
幸福度を10点満点で表現するというもので、結果は、「移住前」は平均が6.4点、「移住後」は平均が7.0点でした。
このようなアンケートは、移住先の環境、近隣住民との関係、移住者の属性などによって、かなり左右される部分ですので参考程度になるかと思います。

地方移住・幸福度

移住後のメリット

地方移住・メリット

移住したメリットとして多かった回答は、「自然環境が豊かな地域で暮らせる」の58.0%、「家族(配偶者、子ども)と一緒に暮らせる」の55.5%でした。
都会では味わえない豊かな自然環境や、家族と一緒に過ごせるということをメリットとして考える人が多いようです。
あとは「都市部よりも住居や土地が安く手に入れられる」も46.5%あり、住まいにかかるコストを安く抑えられるというのも大きなメリットといえるでしょう。

プレスリリース/【三重県】三重県、全国の地方移住経験者に対する意識調査を実施

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

堀田 直紀
堀田 直紀

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

堀田 直紀

不動産鑑定士・宅地建物取引士

不動産鑑定士試験合格後、民間最大手の大和不動産鑑定株式会社にて約11年間、収益物件をはじめとした鑑定評価業務に従事。平成29年10月、ミッドポイント不動産鑑定株式会社を設立。

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