不動産投資コラム

「地価上昇」は不動産投資家にどんな影響がある?

「地価上昇」は不動産投資家にどんな影響がある?

令和元年は公示価格、基準地価、路線価…いずれの土地価格も現在全国的に上昇・回復傾向にあります。

地価の上昇はポジティブに伝えられることが多いですが、投資家として地価上昇というだけで喜んでいていいのでしょうか。

そこで今回は、地価変動が不動産投資家にもたらすメリット、デメリットについて詳しく解説します。

【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら

そもそも地価とはなにか

ここでいう地価とは、いわゆる土地の売買価格そのものではなく、国や自治体が一定の調査のもと公表している土地の評価額のことをいい、公示地価、基準地価、路線価などがあります。
いずれの価格についても、インターネットなどで簡単に調べることが可能です。

土地の売買取引をする際には、国土交通省が公表している公示地価を1つの目安にして、売る側も買う側も価格を検討するため、地価変動は実際の売買相場にも影響を及ぼすといわれています。

公示地価のここ数年の傾向を見ると、全国的に上昇傾向にあることがわかります。
東京都、京都府、福岡県、宮城県、沖縄県などはとくに前年比で上昇傾向が強い都府県となっています。

上昇傾向の都府県

では、公示地価が上昇すると不動産投資家にどのような影響が出てくるのでしょうか。

不動産投資家にとっての地価上昇のメリット

売買価格の参考となる地価が上昇すると、実際の売買相場も上昇する傾向にあるため、土地の売却を検討している人にとっては、それまでよりも高値で売却できる可能性が出てきます。

特に、ここ数年で地価が上昇傾向にある土地の場合、今後も上昇の可能性が見込まれるため、ある程度強気の価格で売りに出しても買い手がつく可能性が出てくるでしょう。

地価上昇のメリットを受けやすい人

売却

地価上昇によってメリットを受ける不動産投資家としては、基本的に「売却」を検討している人です。

  • 東京オリンピック前に売却して利益を確定したい人
  • 相続絡みで不動産の売却を検討している人
  • 収支が悪い物件の損切で売却したい人

特に現状としては、来年に2020年東京オリンピック開催が控えているということもあり、そろそろ地価上昇がピークアウトする可能性も十分考えられます。
よって、ここ数年の間に都内の物件の売却を検討しているようであれば、まさに地価が高い今が売り時といえるでしょう。

不動産投資家にとっての地価上昇のデメリット

地価上昇は売却を検討している人にとっては非常に追い風となりますが、一方で長期保有を予定している方にとっては税金負担が増えるというデメリットが生じます。

毎年1月1日時点での所有者に対して課税される固定資産税や都市計画税については、固定資産税評価額や路線価を基準にして税金が計算されるのですが、これらの評価額は地価が上昇すると自動的に上昇していくため、必然的に税金が値上がりするのです。

不動産に対する相続税についても、路線価や固定資産税を基準に評価額を算出するため、それまで基礎控除の枠内におさまっていたはずが、地価上昇によって相続税が発生してしまう可能性も考えられます。

売却を検討している人にとってはあまり影響ありませんが、長期保有する方にとっては単に負担が増えるだけです。

どんな時に地価が上昇するのか

地価の上昇には様々な原因が考えられるため、一概にはいえませんが、概ね共通していえることは、何らかの原因で不動産需要が拡大していることです。

需要拡大

全国的に地価が上昇傾向になった一番のきっかけとしては、2013年頃からスタートした日銀の異次元の金融緩和政策にあるといえます。

それにより、日経平均株価が大幅に上昇し、利益を上げた投資家の資金が不動産に流れ込みはじめ、また金融機関の不動産向け融資が促進されたことから地価上昇につながりました。
中でも上昇傾向が強い東京都と沖縄県については次のような要素もプラスで作用したと考えられます。

東京都の場合:東京オリンピック開催決定が起爆剤に

東京都の地価上昇の起爆剤となったのが、2013年に開催が決定した東京オリンピックです。

オリンピック開催が決定したことで、いわゆるインバウンド需要が大幅に拡大し、東京が世界中から注目を集め、不動産についてもオリンピック効果によるキャピタルゲインを期待した外国人投資家によって買われ、価格がどんどん上昇しました。

沖縄県の場合:インバウンド外国人需要の拡大

もともと観光地として有名な沖縄県ですが、中国人をはじめ外国人観光客から爆発的な人気が出たことから、ホテルなどの商業地域を中心に開発が進み、現在でも地価が上昇しています。

地方で地価上昇が始まると、投資目的での購入希望者がしばらく増え続けるため、地価上昇に拍車がかかり、都内などもともと地価が高い地域よりも上昇率が高くなるのです。

直近では、浦添市に2019年6月「サンエー浦添西海岸PARCO CITY」がオープンするなどまだまだ開発が続いています。

浦添市では「那覇港浦添ふ頭コースタルリゾート計画」が現在進行中で、今後も交通アクセスの向上や、リゾートホテル、人工ビーチの開発などが検討されているそうで、今後も地価上昇が続くでしょう。

まとめ

地価上昇は物件価格の上昇でもあるため、現在保有している物件を売却するタイミングとしては最適といえるでしょう。

一方で、購入を検討している方にとっては、物件価格のみならず税金の負担も増えることから、タイミングについては慎重に検討することをおすすめします。

地価は不動産の購入、売却のタイミングを見極めるうえで、とても重要な指標となることをよく覚えておきましょう。

関連記事

銀座以外もバブル超え?大幅に地価が上昇した街3つ

2020年以降に不動産投資はどうなる?可能性3つ

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧