良い民泊とは?レビュー他、予約段階のポイント
訪日外国人観光客の増加により、大阪を中心に民泊需要が高まりつつありますが、私たち日本人にとって民泊は新しい宿泊形態であるため、サービス面においてはまだまだ改善、改良の余地があるといえます。
そこで今回は、実際に複数回民泊を利用してみた私の経験談をもとに、民泊投資で成功するためのポイントについて、全3回に分けて解説したいと思います。利用者にとってよい民泊物件とは、どんな物件なのか、これを読んでぜひ参考にしてください。
第1回目となる今回はまず、利用者が民泊を予約する段階までのポイントについてお話ししていきます。
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よい民泊事例…北海道小樽の某リゾート民泊物件
北海道の小樽を旅行した際に利用した民泊は、これまで利用した民泊の中でも、パーフェクトといってよいほどのクオリティでした。では、どのような点について優れていたのか、予約段階からチェックアウトまでの流れにそって、解説していきたいと思います。
よい民泊の条件①:レビューの評価が高い
民泊とホテルや旅館との大きな違いは、前提となる「安心感」です。
ホテルや旅館であれば、サービスの質に多少の違いはあったとしても、事前に予約する時点で不安を感じることはないでしょう。
一方で、民泊の場合、ほとんどのホストが個人です。
よって、宿泊中に何らかのトラブルが発生した場合、ホストがしっかりと対応してくれるかどうかという「不安」があります。
そこで重要になってくるのが、民泊予約サイトに掲載されている「レビュー」です。
レビューとは、過去のゲスト(利用者)の感想のことで、食べログなどでいうところの「口コミ」にあたるものになります。
レビューは、airbnbをはじめほとんどの民泊物件検索サイトで閲覧することができます。
私が民泊を利用するときは、写真などのイメージがつきやすく、スマホアプリでホストとリアルタイムでやりとりができるairbnbをメインに使っています。
民泊の主な利用者が外国人であるだけあって、レビューについても外国人によるものも多いのですが、airbnbについては外国語のレビューを翻訳して表示できるためとても便利です。
ホームページがあるホテルや旅館とは違い、民泊は検索サイトに掲載されている情報がすべてなので、ゲストはそこから良質な民泊物件を見分けなければなりません。
レビューは過去のゲストが正直な感想を掲載しているため、決める際の重要な判断材料となります。
民泊で安定的に集客するためには、次のようなレビューを書いてもらえるよう心がけることがとても重要です。
物件の清潔感について
よい民泊の絶対的な条件は、室内が「清潔」であることです。
民泊投資で成功していくためには、レビューでよい感想を書いてもらうことがゲストを効果的に集客していく上でとても重要になります。
その際、清潔感のない物件については、万国共通でウケが悪く、総じて悪いレビューとなってしまうのです。
特に、バスルームやトイレなどの水まわり関係の清掃があまいと、ゲストから酷評を受けることが多く、その後の集客に悪い影響を及ぼします。
私の経験上、室内が清潔な民泊物件については、ホストの対応もよいことが多く、反対に清潔感のない民泊物件についてはホストの対応が悪いという傾向があり、おそらく民泊を頻繁に利用するゲストの方も、同じような印象を持っていると思います。
悪いレビューを書かれてしまうと、それが原因で集客が難しくなることもあるので、できれば一度民泊管理会社が清掃した後の状態を、自分の目で見てチェックして、清掃があまいと感じた場合は細かく指摘するか、管理の委託先を変えるなどの対策をとりましょう。
掲載情報(アメニティや設備)に間違いはなかったか
民泊物件を予約する際に、とても重要な情報となるのがアメニティや設備です。
民泊はホテルや旅館とは違い、自炊できるという大きなメリットがあるため、食器や調理道具など、様々な設備やアメニティが設置されています。
例えば、あるはずのタオルや歯ブラシが設置されていなかったり、エアコンや洗濯機が故障していて使えなかったりすると、連泊で利用することが多い民泊はゲストの評価が大きく落ち込みます。
アメニティ関係については、民泊管理会社が補充や交換をしますので、掲載情報と相違が発生しないよう入念に打ち合わせをしておく必要があります。
また、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などはこまめに動作チェックを行い、早めの交換を心がけましょう。
特に、通常の賃貸経営をしている不動産投資家の方については、「壊れたら交換する」という考え方の方が多いのですが、民泊の場合は万が一宿泊中に設備が壊れると、交換や修理を手配している間にチェックアウトの日になってしまい、大きなクレームに発展するのです。
そのため、設備が耐用年数を過ぎている場合は、できる限り早めに交換することをおすすめします。
ゲストを怒らせていないか(対応のスピード)
レビューを見ていると、ホストの対応が悪かったせいでゲストを怒らせてクレームになっているケースがよくあります。クレームをレビューに書かれると、ゲストの集客において非常にマイナスなので絶対に避けなければなりません。
ゲストを怒らせている原因を見ていくと、行き着く原因は「対応の遅さ」であることが殆どです。
Airbnbの場合、ホストとは宿泊期間中スマホアプリで、リアルタイムでメッセージのやり取りができるのですが、ホストの多くは他に本業を持っているサラリーマン投資家のような人も多く、メッセージを入れてもすぐにリアクションがないというケースもあります。
急ぎの用件である場合、その日のうちに返事があれば問題ないのですが、例えばチェックインしようとして現地に行ったら、所定の場所に鍵がなかったといった場合に、ホストと数時間連絡が取れないと、部屋に入れないまま外で待たされるという大変な事態に陥ります。
このようなクレームが一度発生してしまうと、レビューで酷評される可能性が高く、それがのちの集客においても大きくマイナスとなってしまうのです。
対応の遅さによるクレームを回避するためには、ゲストが宿泊している間は常にすぐ連絡がとれる体制を整えておくか、ゲスト対応も含めて管理委託するかのどちらかになるでしょう。
管理コストを節約するために、ゲスト対応は自らが行い、清掃業務のみ外部に依頼しているホストもよくいますが、民泊を営業する以上は、ゲストが困らないよう常に連絡がとれる状態にしておく義務があるということを、よく覚えておきましょう。
私が利用した小樽の民泊物件のレビューは、総合的に評価がとても高く、悪い内容のレビューがほとんどありませんでした。民泊は、ホテルや旅館以上に、レビューの情報がゲストの集客にとても大きな影響を与えますので、上記ポイントについて抑えておくとよいでしょう。
よい民泊の条件②:間取り図が公開されている
通常の賃貸経営をしている方からすると意外かもしれませんが、民泊物件の検索サイトでは、間取り図を公開していない物件がたくさんあります。もちろん、室内の写真については掲載されていますが、間取り図を公開しているケースは意外に少ないのです。
ワンルームの民泊であれば、写真だけあればおよその検討はつきますが、2LDKなどのファミリー向けの民泊物件については、間取りがはっきりわからないと予約がしにくくなります。
戦略上、あえて間取りは公開せず、見栄えのよい写真だけ掲載しておくという手法も悪くはありませんが、ゲストのイメージと実際の部屋が異なった場合に、レビューにネガティブな感想を書かれる可能性があるため注意が必要です。
間取り図の公開については、それぞれ戦略上の考え方があるかとは思いますが、私の経験からすると、室内が25㎡を超えるようであれば、間取り図をリスティングの写真の中に入れて公開したほうが、トラブル防止になると考えます。
私自身、写真ではとても広く写っていたのに、実際に利用してみたらあまりに狭くて、全日程を終える前にチェックアウトしてしまった、という経験もあるだけに、間取り図については公開したほうが、ゲスト、ホスト双方にとってプラスになると思います。
ここまでは、民泊を予約する段階までのポイントについてお話ししました。
次回は、実際に民泊物件に宿泊した後に感じた経験から、よい民泊の条件について考えてみたいと思います。
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
第1回:良い民泊とは?レビュー他、予約段階のポイント
- 第2回:実際に体験!泊まってわかる良い民泊の条件
- 第3回:こんな民泊はダメ:実際に泊まってわかった失敗談