不動産投資コラム

コインランドリー投資を徹底比較!

行政書士棚田 健大郎
コインランドリー投資を徹底比較!

コインランドリーというと、風呂なしアパートに住んでいる人が使う、古めかしい施設というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は近年コインランドリーを利用する人が増えているそうです。

そこで連載第2回目の今回は、コインランドリー投資の特徴について、他の投資と比較していきたいと思います。

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コインランドリー投資とは

コインランドリー投資とは、店舗に洗濯機や乾燥機などを設置して、その利用料で収益を上げる投資方法で、駐車場投資やトランクルーム投資とは違い、店舗運営的な側面があるのが特徴です。

近年、コインランドリーは増加傾向にあり、厚生労働省の調べによると、平成17年度は全国で13,746施設だったのが、平成25年度には16,693施設と、およそ3,000施設も増えています
その内訳を見てみると、個人が参入しやすい、洗濯機の設置台数が10台以下の中小規模のコインランドリーが増えていることからも、多くの不動産投資家が参入し始めていることがわかります。

コインランドリー投資の特徴について

初期費用
収益率
ランニングコスト
出口のとりやすさ

※★が多いほどおすすめ

コインランドリー投資は、駐車場投資に比べると、開業にあたって必要な初期投資の金額が高額になります。主な開業費用は以下の通りです。

コインランドリー投資の初期投資でかかる費用

コインランドリー投資をするためには、以下のような初期投資が必要になります。

▼初期投資の基本的な費用

  • 店舗の賃貸契約料
  • 洗濯機、乾燥機設置費用
  • 内装工事費用

コインランドリー投資は、投資という言葉を使ってはいますが、わかりやすく言うと、コインランドリー屋さんを経営することなので、開業するためにはお店を開くためのさまざまな費用がかかります

すでに店舗を所有している場合であれば、初期投資を大幅に削減できますが、店舗から仕入れてコインランドリー投資を始めるとなると、かなりの初期投資となるため、初心者投資家がいきなり始めることはあまりおすすめできません

リース契約を利用すると、初期投資額をおえられる

業務用の洗濯機や乾燥機は、購入して設置するとなると、30㎡くらいの小規模なコインランドリーでも軽く100万円を超えてしまいます。
そこで、購入ではなく「リース契約」にすることで、初期投資額をおさえることが可能です。

リースであれば故障した場合のメンテナンスについても保証してもらえるため、コインランドリー投資がはじめてという場合は、リースを利用したほうがよいでしょう。

その他、コインランドリー投資のメリット、デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 開業してからは、徐々に売上が伸びていく傾向がある
  • 自分自身のビジネス経験を活かせる
  • ノウハウがあれば売上に上限はない

デメリット

  • 意外と管理に手間がかかる(水漏れや故障のリスク)
  • 定期的に現場を確認する必要がある
  • 長期安定的に運営するには、それなりのノウハウが必要

不動産投資というと、比較的なにもしなくても収益が上がる「不労所得」をイメージする人も多いと思いますが、コインランドリー投資の場合は不動産を活用した投資ではあるものの、一種のビジネスとなります。

コインランドリー開業当初については、真新しさもあり、徐々に客足が増えていき、固定客が付き始めると、売上も右肩上がりに増えていく傾向があります。ところが、3~5年程度で頭打ちとなり、徐々に売上が落ち着き始めて、下降線をたどるということも少なくありません

そのため、コインランドリーを長期安定的に経営していくためには、ノウハウと経験が重要なのです。

フランチャイズを利用することでノウハウと経験を補う

コインランドリー投資に必要なノウハウや経験に不安がある場合は、「フランチャイズ(FC)」という選択肢もあります。コンビニをゼロから立ち上げて経営するのと同じで、コインランドリーもゼロから自分1人で立ち上げることは簡単ではありません。

そこで、コンビニのフランチャイズと同じように、コインランドリーのノウハウがある会社のフランチャイズ店舗に加盟すれば、経営に必要なノウハウを補うことができます

コインランドリー投資成功の3つのポイント

ポイント1:とにかく立地にこだわる

コインランドリー投資は立地にこだわる

コインランドリー投資は、利用客に店舗まで足を運んでもらわないと売上に結びつかないため、駐車場投資やトランクルーム投資以上に「立地」が重要になってきます。

そして、立地を選定する上で、ポイントになってくるのが「駐車場」です。

近隣が1人暮らしの学生が多い場所であれば、駐車場がなくても一定の集客は見込めますが、近年では車で大量の洗濯物を運んできて、まとめて洗濯を済ませるケースもあるため、敷地内の駐車場の有無はとても重要なのです。

また、通り沿いなど目立つ立地がよいのですが、中央分離帯があるような大きな通り沿いだと、かえって右折入庫がしにくいため、機会損失のデメリットもあります。
このようにコインランドリーの立地は非常に奥が深いので、まずは自分自身が利用者になったつもりで、その立地で不便がないかよく確認することが重要です。

ポイント2:差別化をはかる

近年、コインランドリーが増え続けているため、当然競合との競争も視野に入れて対策を考える必要があります
そこで重要になってくるのが「差別化」です。

最近では、単に洗濯機や乾燥機を設置しているだけのコインランドリーでは集客が続かないケースも多いため、次のようなアイディアで差別化をしている不動産投資家も増えています。

  • コンビニと併用して経営している
  • カフェ風のおしゃれな内装にこだわる
  • マンガ喫茶レベルのマンガや書籍を設置する

このようにコインランドリーを、ただ洗濯をしにいく場所ではなく、プラスアルファの付加価値を提供することで、長期的に安定した経営を実現することができるのです。

ポイント3:開業するタイミング

コインランドリー投資は、開業当初の売上が非常に低いため、固定客が付くまでの1年目については、資金繰りがとても重要になってきます。
そこで気をつけたいのが「開業するタイミング」です。

コインランドリーの需要は年間を通して同じではなく、季節によって大きく需要が変動するという特徴があります。

雨が多い9月くらいから、気温が下がる12月の年末にかけては、洗濯物が乾きにくいため、コインランドリーを利用して洗濯する人が増えますが、反対に夏場など洗濯物が乾きやすい時期については、一気に需要が伸び悩み、閑散期となります。

よって、コインランドリーを開業する時期が、閑散期と重なってしまうと、開業当初から非常に苦しい状況に追い込まれる可能性があるため、できる限り9月~12月の間で開業するよう調整することをおすすめします

コインランドリー投資に向いている人

コインランドリー投資は、駐車場投資やトランクルーム投資と違い、本人の「経営力」が利益に大きく反映されるため、これまで営業や経営に携わってきた経験のある会社員の方などに向いています。

反対に不労所得が希望で、できる限り手間のかからない不動産投資を考えているようであれば、コインランドリー投資は避けたほうがよいでしょう。

こんな人におすすめ

  • これまでのビジネス経験を投資に活かしたい人
  • 営業力や経営力に自信のある人
  • 店舗となる不動産をすでに所有している人

次回は、トランクルーム投資についてみていきましょう。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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