ブロック塀の耐震診断が義務へ。対象となるのは?
「ブロック塀の建て替えを検討したいのでお見積りをお願いします。」
2018年6月18日に発生した大阪府北部地震以降、こんな依頼をよく頂くようになりました。
ブロック塀の現状をお尋ねすると、
「傾いていて…」、もしくは「ヒビが目立ってきたので…」という答えが大半です。
実際、現場を拝見させて頂くと、今にも倒れてしまいそうな塀にびっくりすることも少なくありません。
2018年11月27日、ブロック塀等の耐震診断の義務付けが閣議決定されたことで、より一層どこにでもあるこのブロック塀に興味を持っていただきたいと思います。
今回はこの閣議決定について、ひとつひとつ解説してまいります。
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「ブロック塀耐震診断の義務化」閣議決定のポイント
建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令の一部を改正する政令
上記が閣議決定されました。専門用語が多く、すこしわかりづらいでしょうか。
かみ砕いた表現に変更するならば…
このように閣議決定したと言い換えることができます。
では、具体的にどんなブロック塀をさすのでしょうか。
- 「1981年以前」
- 「建物が多く集まっている(もしくは集まる可能性のある)道路」
- 「一定の長さ」
- 「一定の高さ」
この4点をもう少し掘り下げていきましょう。
1. 1981年以前
1978年の宮城県沖地震を受けて1981年に大きくブロック塀の基準が改正されました。
この1981年前に設置されたブロック塀が、今回の義務化の対象となります。
2. 建物が多く集まっている(もしくは集まる可能性のある)道路とは?
各行政庁では、建物が多く集まっている(もしくは集まる可能性のある)道路を、耐震診断を義務付ける道路に指定しています。
ご自身の所有する物件が建っている前面道路が、“耐震義務付け道路”に指定されているか、自治体へ確認してみましょう。
※閣議決定を受け、指定内容に変更等が発生する場合があります。
※条文では建築物集合地域通過道路等と表現しています。
※行政庁によっては、別の条例と併せ、特定緊急輸送道路という名称で指定している場合もあります。
3. 一定の長さとは?
2 で解説の道路に接している距離が 25m を超える長さです。
※都道府県知事又は市町村長が8m以上から定めることも可能となっております。
4. 一定の高さとは?
2 で解説の『道路の中心から塀までの距離を2.5で除した数値』を越えている高さのことです。
※都道府県知事又は市町村長が距離を2m以上(高さ0.8m以上)の範囲において定めることも可能となっております。
まとめ
ポイント1. ~ 4.のすべてを満たすブロック塀の耐震診断が義務付けられました。
皆さまの所有物件、アパートやマンションのブロック塀は対象となるでしょうか?
現状まだまだ未確定事項(※)も多く、各行政庁による『耐震改修促進計画』の改訂から始まるため、すべてが決まるまではもう少し時間がかかるものと思われます。
※『該当道路の変更・追加』、『塀の長さ・高さの確定』、『診断方法の資格者の確定』、『診断方法の確定』、『助成金の設定』など。
まずは国土交通省のHPの塀の安全点検のチェックをしましょう。
国土交通省:建築物の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検等について
一つでも不適合がある場合は、建築士など専門家への相談が『必要』です。
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