床の貼り替え、扉の交換は資産計上?それとも経費計上できる?
リフォーム費用のうち、同等品への交換する費用は資産計上しなければならないと聞きました。
床を丸ごと取替したり、扉を取替したりする場合も資産計上になるのでしょうか?
それとも修繕費で経費にしてよいのでしょうか?(いずれも10万円を超える前提)
床は修繕費にできる可能性大。扉は原則資産計上だが30万円未満なら経費化も可。
1.交換費用の原則的な考え方
設備や備品を同等品に交換する場合は「資産計上」が原則です。
これは旧設備の廃棄と新設備の取得を同時に行う行為とみなされるためです(平成26年4月21日裁決より)。
資産と判断されるかの基準:
- 単体で使用できるか
- 単体で取引や流通があるか
2.床の交換について
床は単体で使用できず、取引されることも少ないため、修繕費として計上できる可能性が高いです。
- 元のグレードと同等の貼り替え:修繕費
- グレードアップする場合:差額部分のみ資本的支出として資産計上
例:
通常貼り替え=20万円
高グレード貼り替え=50万円
→ 資本的支出は30万円(=50万-20万)
※一つの修繕・改良が20万円未満であれば、資本的支出でも修繕費として処理可能。
3.扉の交換について
扉は単体で取引される設備とみなされるため、原則として資産計上が必要です。
ただし、以下の条件を満たせば全額経費化も可能です。
- 費用が30万円未満
- 青色申告者である
これは、法人税基本通達67の5-3にも明記されており、
扉の交換は「単独資産としての機能の付加」に該当するため、少額減価償却資産の特例が適用されます。
→ つまり、30万円未満なら資産計上せずに全額経費にできます。
2025/08/01
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士