不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

法人化。休眠会社を活用するべきか?新規法人を設立するべきか?

今後、法人で融資を受けて購入していきたいです。

その足がかりとして、親が所有しているアパートの建物だけを法人に売買をしようと思っています。

親が過去に作った法人があるのですが、現在は休眠中です。
設立費用を節約するために、この休眠中の会社を使った方がよいでしょうか?

それとも、新規法人を設立した方がよいでしょうか?

たしかにすでに会社があるのであれば、設立費用がなく、法人を活用することが可能です。

法人の設立費用は、登録免許税と司法書士報酬などを全部あわせて

株式会社の場合で約30万円程度

合同会社の場合で約16万円程度

になるかと思います。

休眠会社の会社名・役員・事業目的がそのまま使えるのかどうかも判断しなければなりません。会社の箱はあっても、会社名・役員・事業目的などを変更するためには登記費用がかかります。

変更する項目が多ければ、結果的に新規で設立する費用と変わらないこともありえます。
また、今後の融資を考えると新規法人を設立した方がよいかもしれません。

金融機関が融資をする場合には、原則として、3期分の決算書を提出する必要があります。

休眠会社であれば、決算書を作成していないこともあり、融資のために決算書を作成しなければならなくなります。結果的には動いていない決算書を提出することになりますが、金融機関の印象が悪くなる可能性があります。

悪い決算書の説明として、休眠していたことの理由などを説明しなければならなくなると考えます。融資担当者としても、面倒な作業になると予想されます。

それであれば、新規法人の方が融資担当者はありがたいと思う可能性があるのです。
新規法人であれば過去の決算書を持っていく必要がありません。

この点は金融機関によって考え方が異なることもあります。
一度、融資担当者に休眠会社を利用することがよいか、新規法人の方がよいかを聞いてみることをおすすめします。

2024/07/19

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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