不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

過去に購入した不動産で減価償却を行っていない場合。今年の申告で計上できる?

令和4年に購入した不動産が築古だったので、減価償却はないものを思って、減価償却費を計上していませんでした。

令和5年の申告からでも計上できるのでしょうか?

過去、減価償却費の計上がなくても、実際に建物金額があるのであれば、今年から減価償却の計算をすることは問題ありません。

個人の減価償却は強制償却です。
令和4年に減価償却を計上していなくても、減価償却したものとして未償却残高の計算をすることになります。

(例)売買代金1,000万円(土地建物合計。内訳の記載なし)で
令和4年5月にオーナーチェンジで購入した場合

  • 仲介手数料35万円
  • 固定資産税精算金5万円と仮定
    (仲介手数料と固定資産税精算金は資産になります)
  • 合計1,040万円を購入時の固定資産税評価額を基に土地と建物に振り分けます。

    《令和4年度の固定資産税評価額》
    家屋 1,087,615円
    土地 3,835,117円
    合計 4,922,732円

    1,040万円×1,087,615円/4,922,732円=2,297,747円(建物の購入金額)

    令和4年の減価償却費

    2,297,747円×0.112(9年の償却率)×8/12(5月~12月分までの計算)=171,565円(令和4年の償却額)

    2,297,747円-171,565円=2,126,182円(令和4年末の未償却残高)

    令和5年の減価償却費

    2,297,747円×0.112(9年の償却率)=257,347円(令和5年の減価償却費)

    2,126,182円-257,347円=1,868,835円(令和5年末の未償却残高)

    なお、令和4年の申告は減価償却が漏れていたということで、『更正の請求』をして、税金を還付することが可能です。

    2023/07/14

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    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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