不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

法人名義のクレジットカードで貯めたポイント。個人で利用してよい?

法人で2物件所有しています。会社名義のクレジットカードで経費などを支払っています。
ほとんどの経費をクレジットカードで支払っているので、1年でポイントがかなり貯まります。

このクレジットカードで貯まったポイントを個人が利用してもよいのでしょうか?

貯まったポイントは法人のものです。個人が法人のものを使うと、個人が法人から利益を受けたということで課税されることになります。

具体的には、個人が役員の場合、会社から役員賞与を受けたことになる可能性があります。

まず、会社がポイントを交換した時点で、会社に利益(雑収入)が計上されます。

ポイント交換した商品やサービスを役員が受け取ると、会社からその役員へ役員賞与を払った扱いになります。

役員賞与は、原則、税務署に事前確定届け出をしない限りは、損金になりません。

しかし、個人は役員賞与を受け取ったとして、所得税・住民税が課税されます。

つまり、会社側はポイント分の収入として計上され、経費に計上した役員賞与分は損金にならないことから、ポイント収入分に対して法人税が課税されます。

個人側はポイント分の役員賞与を受けたとして、所得税・住民税が課税されます。

さらに、役員賞与を支払う際に会社が源泉所得税を徴収しなければならず、その徴収が漏れていると指摘される可能性があります。

このように、安易に会社が保有するポイントを個人で利用すると、思わぬ税金が課税される可能性がありますのでご注意ください。

2021/12/20

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧