不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

相続税の障害者控除。相続税から控除しきれない場合はどうなる?

相続人のなかに障害者がいます。障害者控除によって相続税が安くなると聞きました。

しかし、その相続人は何も財産を相続しない予定なので払う相続税がないのですが、その場合に控除はできないのでしょうか?

控除しきれない部分の金額を、その障害者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

相続人が85歳未満の障害者に該当する場合には、下記の計算式で求めた金額をその相続人の相続税から控除することができます。

《一般の障害者の場合》
10万円×85歳になるまでの年数(1年未満の年数は切り上げ)

《特別障害者の場合》
20万円×85歳になるまでの年数(1年未満の年数は切り上げ)

障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れない場合があります。

この場合は、その引き切れない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます

扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者です。

これは、実際に扶養してなくてもよいことになっています(扶養する義務があることには変わりはないため)。

兄弟姉妹も扶養義務者になっているため、相続人が子ども同士の場合、他の相続人の相続税から控除することができます。

なお、扶養義務者が複数人いる場合は、話し合いで誰から控除するかを決めることになります。

2021/07/16

今の日本の人口動向に沿って設計「新築一棟投資法」とは?解説本無料プレゼント

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧