不動産投資コラム

業者選びが重要!民泊の運営・管理委託の失敗

行政書士石井くるみ
業者選びが重要!民泊の運営・管理委託の失敗

全国的に解禁され、不動産活用のひとつとして身近な存在になっている民泊。
2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されて以降、日本全国の民泊届出数は24,145件になっています(2020年2月時点)。

前回は物件を「借りた」場合の失敗例 をご紹介しました。
今後、新たに民泊事業を始める方が失敗を未然に防げるよう、今回は運営・管理委託に係る民泊ビジネスの失敗例をご紹介します。

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民泊の失敗例3. 物件の「運営・管理を委託した」場合

 
民泊ビジネスでは、物件選定から始まり、旅館業営業許可の取得、宿の立上げ(セットアップ)、宿泊施設予約管理、清掃、集金等の手配など、様々な業務が発生します。

それらの業務すべてを自ら行うことは相当の負荷がかかるため、特にサイドビジネスとして民泊ビジネスを行う人の間では、運営代行会社に業務を委託することが行われています。

しかし、代行会社に運営・管理を委託したオーナーからは、様々なトラブル事例が報告されています。

 いくつか具体例を挙げると…

  • 全般的に仕事がいい加減。特に清掃のクオリティが低く、宿泊者から宿泊施設予約サイトのレビュー評価に苦情を書かれてしまって予約率が低迷してしまった。
  • 自分で把握している売上額と運営業者から出てくる月間売上レポートの数字が一致しない。
  • 明らかに過大と思われる消耗品の請求書が送られてきた。
  • 苦情を伝えたら、宿泊施設予約サイトのアカウントID・パスを勝手に変えられ、掲載までも消された。

など。もちろん、誠実に業務を遂行し、評価の高い代行会社も多くありますが、歴史の浅い民泊の運営・管理業界には、悪質な代行業者も少なからず存在するのが現実です。

運営代行会社選びに失敗しないために

営業開始後、宿泊者(ゲスト)からいちど悪いレビュー評価をつけられてしまうと、その後の集客にも大きな影響が出てしまいます。

民泊レビュー
したがって、代行会社を選ぶ際には、単に運営代行手数料のみを検討するのではなく、会社の遠隔、これまでの運営実績、使用するOTAや予約マネジメントシステム、従業員数や担当者の印象など、様々な要素を考慮して慎重に検討しましょう。

民泊の運営・管理サービス提供者の品質を高めるため、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)では、新たに「住宅宿泊管理業」の登録制度が設けられ、住宅宿泊事業の運営・管理を委託する場合は、国土交通大臣の登録を受けた「住宅宿泊管理業者」に委託することとされています。

旅館業の営業許可を受けた施設では、住宅宿泊管理業者への管理の委託義務はありませんが、一定の要件をクリアした事業者であると認められますので、運営会社の選定の際には参考にすることをおすすめします。

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石井 くるみ

行政書士・宅地建物取引士

石井 くるみ

行政書士・宅地建物取引士

日本橋くるみ行政書士事務所代表。東京都行政書士会中央支部理事。民泊・旅館業に関する講演・セミナーの実績多数。著書「民泊のすべて」(大成出版社、2017年度日本不動産学会著作賞(実務部門)受賞)

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