不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

保証会社の「免責」とはどういう意味?

先日賃貸借契約を結んだのですが、賃借人の方が保証会社を利用するとのことです。

保証委託契約書を読んだところ、滞納発生後7日で「免責」にかかるとの記載がありましたが意味がよくわかりません。

どのような場合に家賃が保証されなくなるのでしょうか?

保証委託契約書で規定されている請求期日までに保証会社へ請求しないと、家賃は保証されないことです。

最近は民法改正などの影響もあり、連帯保証人ではなく保証会社を利用してもらうケースが増えているようです。

保証会社を利用していて家賃滞納が発生したら保証会社が家賃を立て替えて支払ってくれますが、そのためには家賃滞納が発生したことをオーナーから保証会社に連絡する必要があります。

滞納家賃を立て替えて支払うよう請求することを「代位弁済請求」といい、保証委託契約書には代位弁済請求の期限が記載されていて、万が一請求を忘れたまま期限が過ぎてしまうと「免責」となってしまい、たとえ家賃保証会社に加入していても家賃が保証されなくなってしまうのです。

例えば、1月末までに2月分の家賃を支払う前家賃制の場合において、代位弁済請求期日が「家賃対象月の10日まで」と規定されていれば、1月末の段階で家賃滞納が発覚したとして2月10日までに代位弁済請求をしなければ2月分の家賃は保証されません。

保証会社によってはもっと期限が短いケースもあるため、保証会社に加入しているからといって油断していると免責になる恐れがあるため注意しましょう。

保証会社の集金代行がおすすめ

サラリーマン投資家など忙しい方については、毎月決まった期日に通帳記帳をして家賃滞納が発生していないか確認することは大変です。

また、代位弁済請求書も保証会社所定の書式に記入してファックス等で送信しなければならないため意外と手間がかかります。

家賃滞納の発見が遅れて免責にならないようにするためには、保証会社の「集金代行サービス」を利用することをおすすめします。

集金代行であれば毎月保証会社が賃借人の口座から直接家賃を引き落としてオーナーに送金するため、引き落としができなければ保証会社が自動的に立て替えて家賃を送金してくれるのです。

代位弁済請求という手続きをする必要がないため、保証会社を利用する際には集金代行サービスを利用するとよいでしょう。

2020/02/10

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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