民泊届出数は約8.4倍・年間宿泊者数も最高に
観光庁はこのほど、7月16日時点の住宅宿泊事業法の届出状況を公表しました。
また、宿泊旅行統計調査の平成30年・年間値(確定値)についても発表されています。
宿泊旅行統計調査 平成30年・年間値(確定値)/観光庁
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民泊市場は拡大の動き
住宅宿泊事業法(民泊新法)が平成30年6月15日より施行されてから1年と少し経ちます。
観光庁はこのほど、7月16日時点の「住宅宿泊事業法の施行状況」を公表しました。
平成30年6月15日時点では、住宅宿泊届出件数は2,210件だったのに対し、
令和元年7月16日時点では、18,512件となり、施行日の約8.4倍となりました。
うち事業廃止件数が1,169件あり、
届出住宅数は17,343件となっています。
届出件数等の推移▼
各自治体の届出状況
各自治体の届出状況は、特に北海道・東京都・大阪府・福岡県・沖縄県が多くなっています。
住宅宿泊事業法に基づく届出件数の分布図(令和元年7月16日時点)▼
延べ宿泊者数は日本人・外国人ともに調査開始以来最高値に
平成30年 年間の延べ宿泊者数です。
日本人延べ宿泊者数・外国人延べ宿泊者数ともに、調査開始以来の最高値となっています。
全体 | 5億3,800万人泊 | 前年比+5.6% |
---|---|---|
日本人 | 4億4,373万人泊 | 前年比+3.2% |
外国人 | 9,428万人泊 | 前年比+18.3% |
都道府県別延べ宿泊者数
日本人・外国人合計の都道府県別延べ宿泊者数上位5位は下記のとおりです。
1位 東京都…6,611万人泊
2位 大阪府…3,990万人泊
3位 北海道…3,531万人泊
4位 沖縄県…2,679万人泊
5位 千葉県…2,559万人泊
都道府県別外国人延べ宿泊者数はこちら。
こちらも上位5位は前年と同一で、上から東京都・大阪府・北海道・京都府・沖縄県の5都道府県でした。
外国人宿泊者数/三大都市圏と地方圏の推移
外国人宿泊者数は都市部での増加が目立ちますが、地方部においても着実に増加しています。
三大都市圏及び地方部における外国人延べ宿泊者数比較
なお、国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数1位~5位は下記のとおりです。この上位5カ国で全体の約70%を占めています。
1位:中国(2,217万人/26.5%)
2位:台湾(1,210万人/14.5%)
3位:韓国(1,195万人/14.3%)
4位:香港(621万人/7.4%)
5位:アメリカ(558万人/6.7%)
民泊を含む客室稼働率も最高値に
平成30年1月ー12月の施設タイプ別の稼働率です(単位は%)。
全体 | 旅館 | リゾート ホテル |
ビジネス ホテル |
シティ ホテル |
簡易宿所 | |
---|---|---|---|---|---|---|
年間 | 61.2 | 38.8 | 58.3 | 75.5 | 80.2 | 30.2 |
前年差 | +0.7 | +1.3 | +0.8 | +0.2 | +0.7 | +2.2 |
本調査の調査対象は平成22年第2四半期より従業者数9人以下の宿泊にも拡充されましたが、平成30年の稼働率はその拡充以降、各タイプともに最高値となりました。
民泊を含む「簡易宿所」の稼働率も上昇しています。
施設タイプ別客室稼働率の推移▼
都道府県別の客室稼働率は東京・大阪に集中
施設タイプ別客室稼働率を都道府県別でみると、
東京都は全体で(80.0%)、旅館(56.6%)、ビジネスホテル(84.5%)がトップ
大阪府はリゾートホテル(90.8%)、シティホテル(87.0%)、簡易宿所(52.5%)
が全国でトップの客室稼働率となり、稼働率の高さは東京・大阪の2都府に集中しているようです。
東京五輪前に増加を続ける宿泊者数
平成30年、年間の延べ宿泊者数は日本人・外国人ともに調査開始以来最高値、客室稼働率は調査対象拡充以来の最高値となりました。
そして、住宅宿泊事業の届出件数はこの1年で着実に伸び、8.4倍という結果。インバウンドの影響は、都市部だけでなく地方圏にまで波及しています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックまであと1年を切り、ホテル客室不足を懸念する声もありますが、宿泊旅行者数はこの先どのような動きを見せるのでしょうか。
民泊投資と合わせて、先の1年、そして五輪後の宿泊旅行者数についても、引き続き注目していきます。
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