遠方で不動産投資はアリ?メリット・デメリット
投資用に購入する物件は、自分が住む街の近隣と遠方、どちらでも問題はないのでしょうか。
また、近隣と比べると遠方の物件への投資にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
今回は、近隣の物件と比較しながら、遠方の物件に投資するメリット・デメリットについて2回に分けて解説したいと思います。
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遠方で不動産投資をするメリット
不動産投資における対象エリアを遠方まで広げると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
物件の選択肢が増える
購入する物件のエリアを自宅近くに限定すると、どうしても購入する物件の選択肢が狭くなってしまいます。
遠方までエリアを広げると、自然とより多くの物件が選択肢として浮上するため、条件に合う物件を見つけられる可能性が高くなるでしょう。
自然災害・価格変動などリスクの分散
東日本大震災や熊本大地震、北海道胆振東部地震、九州北部豪雨など、日本は自然災害リスクと常に隣り合わせのため、エリアを限定して投資をすると、万が一の際に大きなダメージを受けてしまいます。
将来的に保有する物件数を増やしていくことを考えた場合、遠隔地まで選択肢に入れることで、自然災害リスクを分散させることができるのです。
また、限定したエリアに投資をしていると、将来的にそのエリアの不動産価格が下落した場合に大きなダメージを受けることとなります。
例えば、最近でいえば大阪万博が決まった大阪などの関西圏については、訪日外国人の増加や、大阪駅周辺の再開発なども後押しして不動産価格が好調ですが、地域によっては伸び悩んでいます。
このように不動産価格については、地域によって落差があるため、一箇所に集中せずに分散投資することで、価格変動リスクを回避できます。
遠方で不動産投資をするデメリット
自宅から遠方の物件も視野に入れて投資をすると複数のメリットがありますが、一方で購入時や経営をしていくうえで、次のようなデメリットもあります。
購入時のデメリット
遠方の物件を購入する際には、次のようなデメリットが想定されます。
スピード勝負に勝てない
自宅から遠方の物件を購入するとなると、条件のよい物件を見つけたとしても、現地まですぐに見学に行くことが難しくなります。
不動産投資を始めて間もない頃は、現地を見ずに募集図面や写真だけで決めてしまうことはあまりにもリスキーなので、基本は現地に行って確認をしてから買い付けを入れた方が無難です。
そのため、高利回りの物件を見つけてもスピード勝負には勝てない可能性があるため、他の不動産投資家に先を越されてしまう可能性があるでしょう。
融資が受けにくい
金融機関によっては、支店ごとに融資対応エリアを分けている場合もあるため、遠方の物件ですと、いつも利用している金融機関で融資が受けられなかったり、別の支店扱いになったり、といったケースがあります。
不動産投資で物件を増やしていくためには、銀行との信頼関係を積み重ねて融資を引きやすくすることがとても重要ですが、投資エリアを広げると、使いたい金融機関が使えないという可能性も出てくるため注意が必要です。
賃貸経営していくうえでのデメリット
遠方の物件を無事購入できたとしても、賃貸経営において次のようなデメリットも考えられます。
相場観や土地勘を把握するのが大変
自分自身が住んでいる地域であれば、家賃相場について把握しやすく、周辺の開発状況についてもリアルタイムに情報を掴んで家賃設定に反映させられますが、遠方の物件を購入した場合は、相場観が身につき難いため、賃貸募集の際に本人も気がつかないまま割高、割安の家賃で募集に出してしまう恐れがあります。
また、物件周辺の土地勘についてもなかなかつかみ難いため、空室対策のイメージがしにくく、不動産会社任せにならざるをえない部分もあるでしょう。
緊急対応が難しい
遠方に住んでいる場合は、物件の設備に不具合が生じたとしても、すぐに現場に行くことは難しいため、対応が遅くなってしまう可能性があります。
ある程度は管理会社に任せることはできますが、対応が遅くなると、賃借人の不満がたまって退去に繋がったり、家賃の値下げ交渉をされることもあるため、別途対策が必要です。
付き合う業者が増える
入居者が退去した際の原状回復工事や、入居中の諸修繕などを手配する業者についても、地域を分散して物件を保有していると、それぞれの地域で信頼できる施工業者を見つけなければなりません。
保有している地域がまとまっていれば、すべて同じ業者に依頼をすることで、価格交渉をすることも可能ですが、分散していると1業者あたりの発注件数は減ってしまうため、価格交渉が難しくなります。
デメリットの多くは対策次第で解消が可能
自宅から遠方の物件に投資すると、さまざまなメリットが受けられる反面、遠方だからゆえのデメリットも発生します。
ただ、今回ご紹介したデメリットのほとんどは、適切な対策をとることもできます。
そこで
後編 では、遠方の物件に投資した場合のデメリットを打ち消すための適切な対策について解説します。
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