平成・昭和で住宅需要に差?世代別暮らし意識調査
UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)は、4月1日の新元号発表、5月1日の改元を前に、「平成世代と昭和世代の暮らし意識調査」の調査結果を発表しました。
「平成世代」と「昭和世代」の住まいや地域との関わりといった“暮らし”への意識の違いを明らかにすることを目的としたものです。
調査対象は平成世代の16歳~29歳、昭和世代の30~59歳の男女で、サンプル数は10~50代の各年代の男性100名、女性100名ずつ、計1000名で、2019年2月に実施された調査結果となっています。
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意外?平成世代、昭和世代の「田舎派」を上回る
「都会」と「田舎」、どちらに住みたいかという質問に対し、「都会」または「どちらかと言えば都会」を選んだ“都会派”は、平成世代で56.8%、昭和世代は55.2%でした。
また、平成・昭和の両世代ともに「どちらかといえば都会」という答えが最多という結果になっています。
一方、「田舎」または「どちらかと言えば田舎」と選んだ“田舎派”は、意外にも平成世代の方が昭和世代よりも若干多く、両世代の”都会派”、”田舎派”の割合は同程度ということが見てとれます。
平成世代のまち選びは「職住近接」重視
自分が住む「まち」を決める場合にどんな点を重視するかという質問に対し、両世代とも「買い物環境の充実」が最多である一方、平成世代は「職場・学校の近く」も同率トップになっており、「職住近接」を望む傾向は昭和世代よりも強いようです。
【昭和世代・平成世代ともにトップだった回答】
- 買い物環境の充実(平成世代58.0%、昭和世代62.5%)
【平成世代の方が多かった回答】
- 職場・学校の近く(58.0%)
- 友人の近く(14.5%)
- まちのブランド(11.5%)
【昭和世代の方が多かった項回答】
- 治安(54.0%)
- 医療サービスの充実(43.3%)
また、平成世代は「友人の近く」や「まちのブランド」を重視する数が昭和世代の約2倍となるなど、自分が住むまちやコミュニティに根差した生活やブランド力を望む傾向も強いという結果になっており、「治安」や「医療サービスの充実」を重視する昭和世代と差が出ています。
お金に現実的なのは平成世代/「住宅」について
自分が住む「住宅」を決める場合にどんな点を重視するかという質問に対し、平成世代は家賃や仲介手数料など、お金に関する項目や、広さやデザイン性など、SNS映えするような広さや設備、おしゃれさを希望する傾向が強いようです。
【平成世代の方が多かった回答】
- 家賃/価格(80.3%)
- 仲介手数料・更新料の金額(21.0%)
- 広さ(61.5%)
- キッチンなどの最新設備の充実(37.0%)
- デザイン性(34.0%)
【昭和世代の方が多かった回答】
- 間取り(74.0%)
- 日当たり(68.3%)
- 収納の充実(52.0%)
- 隣にどんな人が住んでいるか(41.3%)
一方「日当たり」や「隣にどんな人が住んでいるか」などという回答は昭和世代と比べて平成世代は少なく、大きく差が出たポイントになりました。
「住宅」「介護」などで世代に差/地域のシェアサービス
住んでいる地域にどんなシェアサービスがあったら利用したいかという質問に対しては、全体的に利用意向はあまり高くはないものの、平成・昭和の両世代とも、自動車や自転車、駐車場など、すでに普及しているシェアサービスを利用したいという回答が最多という結果になっています。
【両世代ともに多かった回答】
- 駐車場(平成世代27.8%、昭和世代23.8%)
- 自動車/自転車(平成世代26.3%、昭和世代24.7%)
【平成世代で多かった回答】
- 住宅(16.5%)
- カメラなど趣味用品(14.8%)
- 衣服(7.3%)
- キッチン(6.8%)
【昭和世代で多かった回答】
- 畑(19.8%)
- 高齢者見守り(15.7%)
- 介護(11.7%)
「カメラなど趣味用品」「住宅」「キッチン」「衣服」などは平成世代の方が利用意向が高く、シェアサービスに対して積極的な姿勢が窺えます。
一方、昭和世代の方がポイントが目立って高いのは「畑」「高齢者見守り」「介護」など。より生活に密着したもの・現実性の高い問題に関するものの利用意向が高くなる傾向があるようです。
新たな時代へ…賃貸需要はどうなっていく?
平成世代と昭和世代、項目によっては年代に応じた差が出るという結果になりました。
「平成」も残すところ、50日を切っています。
元号が変わり、新しい時代の住宅、そして賃貸需要はどう変わっていくのでしょうか。
入居者の意識や賃貸需要の変化についても、引き続きレポートしていきます。
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