借主が死亡した場合、賃貸契約は終了する?
先日、入居していた借主がお亡くなりになられたとの連絡がご親族の方から入りました。
この場合、本人死亡により賃貸借契約は終了するのでしょうか?
賃借権は相続の対象なので、終了せずに相続人が相続することになります。
人がお亡くなりになられた場合、原則としてすべての権利や義務を相続人が相続することになるため、借主が亡くなられた場合も部屋を借りる権利である「賃借権」が相続の対象となります。
例えば、貸家を賃貸していて夫婦が居住しているケースにおいて、契約者である旦那さんが亡くなられた場合、ほかに相続人がいなければ配偶者である妻が賃借権を相続することになるので、本人が相続放棄しない限りそのまま賃貸借契約は相続されて住み続けることになります。
法的には再度賃貸借契約書を交わしなおさなくても有効ですが、実務的には相続が確定した段階で妻と契約を結びなおすケースが一般的です。
対して、ワンルームアパートの契約者が死亡した場合は、賃借権が相続の対象にはなるものの相続人が使わないケースが多いので解約になる可能性があります。
この場合、貸主として取るべき対応は次の通りです。
親族もしくは連帯保証人に連絡を取る
まずは入居申込書を参照して本人の親族、もしくは連帯保証人に連絡をとり相続人の連絡先を聞きます。
相続人に連絡を取り、室内の確認をしてもらう
相続人に連絡が取れたら一緒に室内を立ち会って状況を確認してもらい、いつまでに引き渡しをしてもらえるかを確認します。
引き渡しを受けるまでの家賃は、相続人に対して請求することが可能です。
相続人が複数いる場合、原則として法定相続分に応じてそれぞれの相続人に対して家賃を請求できますが、実務的には窓口となる代表者を決めてもらってその方から一括して支払ってもらった方が効率的です。
敷金精算
退去立ち合いが終わったら、相続人に対して余った敷金を返金して完了となります。
基本的な流れは本人がいる場合と変わりません。
2020/05/14
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
回答者棚田 健大郎
行政書士・マンション管理士・宅地建物取引士・管理業務主任者・敷金診断士・ファイナンシャルプランナー