不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

決済日に引き渡しができないとどうなる?

先日保有物件の売買契約を結んで決済日に向けて準備をしていたのですが、ローンの一括返済の申し込みをする際に、自分が保有している別の物件のローンと勘違いして申し込んでしまい、金融機関から決済日までに一括返済の手続きが間に合わないと言われてしまいました。

決済日に書類が揃わず引き渡しができないと、どうなってしまうのでしょうか?

間に合わない場合は違約金の対象となる可能性があります。

ローン返済中の物件を売却する際には、決済日までにローンの残りを一括返済して抵当権を抹消しなければなりません。

通常、売買代金を一括返済にそのまま充当することが多いので、決済日当日に売買代金をローン返済している金融機関の口座に振り込んで、その日のうちに抵当権抹消に必要な書類(抹消書類)を受け取ります。

抹消書類については金融機関が準備しますが、申し込んでから1ヵ月程度の時間がかかるため、今回の事例のようにローンを取り違えて申し込みをしていると抹消書類の準備が決済日当日に間に合わない可能性が出てくるのです。

売買契約書の内容にもよりますが、概ねこのようなケースでは抵当権抹消が契約条件に盛り込まれているため、間に合わない場合は違約金の対象となる可能性があります。

違約金の金額は個別の契約によって異なりますが、概ね売買代金の10~20%とすることが一般的です。

どの物件に対するローンなのか事前に確認を

複数の不動産投資ローンを組んでいる方のなかには、同じ銀行から2本以上の融資を受けている方もいるでしょう。

ローン返済表には物件名が記載されていないため、同じような金額で同時期にローンを組んでいると今回の事例のようにローンを取り違えてしまう可能性があります。

そのため、決済日が決まって金融機関に一括返済の申込をする際には、必ず物件名についても念のため確認することが重要です。

2020/01/24

東京圏人口一極集中さらに加速…不動産投資は、立地で決まる。解説本無料プレゼント

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧