不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

外国人の入居申し込みの際、在留カードはどこを確認すればよい?

インバウンドの増加に伴い、日本で働く外国人の方からの入居申し込みが増えているように感じます。

人口減少が進む日本において、今後外国人居住者の取り込みは空室対策を考える上で必須だと考えているのですが、入居審査をする上で若干の不安があるのも事実です。

例えば、本人確認書類として提出してもらっている「在留カード」の写しについては、大家としてどこを確認すればよいのでしょうか。

基本的には、「在留資格」と「在留期間」をチェックしましょう。

日本人の方にとって、普段目にすることがほとんどない在留カードについては、実際にどこを見てチェックすればよいのかわからないことと思います。

外国人の方から入居申込があった場合は、入居申込書の記載内容と在留カードの情報が一致しているかどうかを確認することがとても重要です。

具体的には次の2つの項目について確認します。

在留資格について

在留カードに書かれている「在留資格」を確認することで、本人が日本においてどのような活動を認められているかがわかります。

例えば、日本語学校生なら「留学」、料理人であれば「技能」などと書かれています。

在留資格の範囲を超えて日本で就労することは認められないため、次のようなケースについては個別に事情を確認しなければなりません。

  • 「留学」と書いてあるのに入居申込書に会社員と書かれている
  • 「技能」と書いてあるのに、日本語学校の教師と書かれている

このように資格外の活動を行う行為は違法なので、入居させてしまうとトラブルになる可能性があります。

ちなみに、「永住者」については活動に制限がないのでどのような職業についていても問題はありません。

在留期限について

外国人の方が在留資格に基づいて活動できる期間には期限が決まっており、在留カードの「在留期限」で確認することができます。

在留カードの「在留期間(満了日)」の日付が期限なので、間もなく期限にかかる人やすでに期限を過ぎている場合についてはオーバーステイの可能性があるため、事情を細かく確認するといった対処が必要です。

「在留資格」と「在留期限」については、不法在留者を誤って入居させないためにも必ずチェックしなければならない項目になりますので、見落とさないよう注意しましょう。

2020/01/13

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

記事一覧