不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

排水溝が詰まって水漏れ発生。誰の責任?

入居者から、キッチンの排水溝が詰まって水漏れがしていると連絡がありました。

すぐに水道業者を手配して現場に行ってもらって詰まりは解消したのですが、かかった費用は誰の負担になるのでしょうか。

詰まった原因によって、費用の負担先が変わります。

排水溝の詰まりによる水漏れは、賃貸物件の諸修繕の中でも比較的よくあるケースです。

排水溝や排水管が詰まる原因は、大きく分けると次の2つのパターンがあります。

1:入居者がものを詰まらせた

キッチンの排水溝に入居者が手を滑らせて、スプーンや残飯などを落として詰まらせたことが原因で水漏れすることがあります。

入居者自身の過失のため、水道業者の手配にかかった費用については、入居者に請求することが可能です。

2:排水溝の汚れ

排水溝の汚れが長年溜まったことで、排水が詰まってしまい、流れが悪くなって水漏れすることがあります。

排水溝の汚れについては入居者もできる範囲で清潔に保つ、善管注意義務がありますが、大家側にも定期的に排水管清掃業者を入れて、排水を詰まりにくくする管理責任があります。

入居者がここ1年以内に入居していて、大家自身がこれまで排水管清掃業者に依頼した実績がないような場合については、大家自身で負担することになるでしょう。

入居者に負担させるには証拠が必要

形式的には上記のいずれかに当てはまる方が費用を負担することとなりますが、入居者に費用を負担させようとしても、入居者が自分の落ち度を認めず、負担を拒否することがよくあります。

そのため水道業者を手配した際には、業者に対して詰まりの原因がわかる写真を現地で撮っておいてもらうようお願いしておきましょう。

例えば、排水溝にスプーンが詰まっていたのであれば、詰まっているところや、取り出した時の写真を撮っておいてもらうことで、後で入居者に費用負担を請求する際における言い逃れを防止できます。

また、大家としては、汚れの蓄積による排水溝の詰まりを予防する意味でも年に1回を目安に、排水管清掃業者に依頼して清掃してもらうよう心がけましょう。

2019/07/15

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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