不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

賃貸借契約前であれば、一方的に白紙に戻すことは可能?

賃貸借契約を結ぶ予定で進めていましたが、より高い家賃で借りてくれる人が現れました。

まだ賃貸借契約に署名捺印をしていなければ、既存の申込者を一方的に断わることはできるのでしょうか?

賃貸借契約前でも、信義則上、一種の契約上の責任が発生することがあります。

一般の方の認識としては、契約書に署名捺印をしていなければ、相手が怒るかどうかは別として、法的には白紙撤回できると思っている方が多いように感じます。

確かに、契約自体が成立していなければ、当事者間に何らの債権債務も生じませんが、だからと言ってすでに契約に向けて手続きが進行している状況において、一方的にキャンセルできるとすると、相手方に損害が発生する可能性があることに注意が必要です。

過去の判例でも、賃貸借契約の締結前に一方的に予定とは違う相手と賃貸借契約を締結した大家に対して、損害賠償請求が認められた事例があります。

契約していなくても、責任が発生する場合とは?

契約成立に向けた交渉の結果として、当事者の一方が相手方に対して、契約成立について強い信頼を与えたにも関わらず、その信頼を打ち切って一方的にキャンセルすることは、たとえ賃貸借契約が成立する前だとしても、信義則上、一種の契約上の責任が発生することがあります。

例えば、契約できると信じて室内の内装費用を相手方がすでに実費で負担し、大家がそのことを知りつつ、何も異議を申し出ていないような場合、その後に大家が一方的にキャンセルするとなれば、信頼利益の侵害として、損害賠償責任が生じるのです。

トラブルを避けるためにはどうすればよいのか

たとえ契約締結前だとしても、突然相手に断りを入れればトラブルになることは目に見えています。

そのため、第一には入居を承諾して以降は、できる限り早めに相手方と賃貸借契約を締結して、権利関係があいまいな状態を短くすることがとても大切です。

契約書にハンコを押していなければ、いつでもキャンセルできるという意識でいると、大きなトラブルに発展する可能性がありますので、十分注意しましょう。

2019/10/12

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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