不動産投資のQA

賃貸経営で発生する家賃滞納や、雨漏り、騒音など…様々なトラブル。対応方法について専門家がお答えします。

不動産投資初心者です。割安な中古一棟ものを勧められるが大丈夫?

不動産投資を始めようと思っているのですが、すでに始めている友人から割安な中古一棟ものを進められているのですが、初心者でもできますでしょうか?

見た目の利回りに騙されないよう注意が必要です。

不動産投資は大きく分けると新築と中古があります。

新築は価格が高いので、不動産投資始めたての初心者からすると少し躊躇する傾向があり、比較的割安価格で購入できる中古を中心に検討するケースがあります。
中でも、今回のご相談のように1回の投資で一気に保有戸数を増やせる一棟もののアパートやマンションを不動産会社から勧められて購入するケースは少なくないでしょう。

中古一棟ものは、割安なうえに青色申告の基準である1棟10戸をクリアできるといったメリットがあるのは確かですが、不動産投資初心者が安易な気持ちで始めることにはあまり賛成できません

というのも、中古1棟もの投資には次のようなリスクがあるからです。

修繕リスク

新築であればむこう10年間は大きな修繕が発生する可能性は低いですが、中古の場合は購入後早いタイミングで屋上防水、外壁張替え、給排水管入れ替え、鉄部塗装など高額な修繕が発生するリスクがあります。
よって、中古物件で利回り計算する際には必ずこれらの修繕費についても経費に盛り込んで想定しておくことが大切です。

空室リスク

一棟ものは効率のいい投資法ではありますが、賃貸需要が低いエリアで購入してしまうと、空室リスクに悩まされる可能性があります。

特に、現時点において満室ではない物件については、マイソクなどに高い「想定利回り」が表示されており、その数字につられて買ってしまう初心者投資家の方がいるため注意が必要です。
想定利回りはあくまで想定であり、そもそも想定している賃料で貸すことが難しいこともあります。
購入する際には、事前に周辺の賃料相場や賃貸需要を不動産会社に聞き込みするなどして調査して、自分自身で想定利回りを計算することをおすすめします。

このように、中古一棟ものはメリットも多くありますが、リスク管理しなければならない部分も多いので、初心者投資家の方が始める際には慎重に検討することをおすすめします。

2021/01/13

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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