セルフメディケーション税制を受けるためには領収書を税務署に提出すればよい?
セルフメディケーション税制※ の適用を受けるため、対象となる領収書を集めているのですが、その領収書を税務署に提出すれば、控除を受けることができるのでしょうか?
※セルフメディケーション税制
これまで支払った医療費の合計が一般的に年間10万円を超えなければ活用できなかった医療費控除が、「セルフメディケーション税制」の施行により、定期健康診断、予防接種などの一定の取り組みを受けている人には、対象となる市販薬の購入金額が年間12,000円を超えた分について、確定申告すれば所得控除できるようになりました。
セルフメディケーション税制の対象となる医療費の領収書だけでは足りず、一定の取り組みが必要になります。
セルフメディケーション税制の適用を受けられるのは、その適用を受けようとする年分において一定の取組(健康の維持増進及び疾病の予防への取組)を行っている居住者に限られます。
なお、納税者本人(この特例の控除を受ける者)が、一定の取組を行う必要があり、その家族が一定の取組を行う必要はありません。
一定の取組とは
この一定の取組は、次の取組になります。
(1)保険事業や健康増進事業として行われる人間ドックなど
(2)高齢者の肺炎球菌感染症及びインフルエンザの予防接種並びに任意のインフルエンザの予防接種など
(3)労働安全衛生法第66条第1項の規定に基づき行われる健康診断(いわゆる事業主健診)
(4)メタボ健診など
(5)市町村が健康増進事業として行う乳がん、子宮がん検診など
上記の取組をしたことを証する書類を確定申告書に添付しなければなりません。
取組をしたことを証する書類
具体的には下記の書類が該当します。
(1)インフルエンザの予防接種又は定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)の領収証又は予防接種済証
(2)市区町村のがん検診の領収証又は結果通知表
(3)職場で受けた定期健康診断の結果通知表
→ 結果通知表に「定期健康診断」という名称又は「勤務先名称」の記載が必要。
(4)特定健康診査の領収証又は結果通知表
→ 領収証や結果通知表に「特定健康診査」という名称又は「保険者名」の記載が必要。
(5)人間ドックやがん検診を始めとする各種健診(検診)の領収証又は結果通知表
→ 領収証や結果通知表に「勤務先名称」又は「保険者名」の記載が必要。
したがって、セルフメディケーション税制の対象となる医療費の領収書だけでは足りず、一定の取り組みが必要になります。
インフルエンザの予防接種でも該当するため、12月末までに接種などをするようにしましょう。
2019/02/28
東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士