不動産投資のQ&A

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

申告が1日遅れたら加算税がかかる?個人と法人で違いはある?

確定申告の期限をうっかり過ぎてしまいそうです。

「1日でも遅れたら必ず加算税がかかる」と聞く一方で、「1か月以内に出せばセーフ」とも聞きます。実際はどちらなのでしょうか。

また、私は個人の確定申告も法人の申告もしているのですが、申告が遅れたときの扱いは個人と法人で違うのでしょうか。

1日遅れても「期限後1か月以内かつ全額納付」等の条件を満たせば無申告加算税は免除。ただし個人と法人で納付条件に違いがあります。

「1日遅れたら必ず加算税」も「1か月以内なら自動でセーフ」も、どちらも正確ではありません。個人と法人の違いを見ていきましょう。

1.【まず共通】1日でも遅れれば「期限後申告」になる

申告期限を1日でも過ぎれば、その申告は法律上「期限後申告」です。

ここは個人・法人を問いません。

ただし、期限後申告になっても、自動的に無申告加算税がかかるわけではありません。

次の条件をすべて満たせば、無申告加算税は課されません(これも個人・法人で共通の国税通則法のルールです)。

●税務署の調査の事前通知より前に、自主的に期限後申告をしている
●その申告が、法定申告期限から1か月以内に行われている
●申告した税額の全額を、法定納期限までに納付している
●過去5年間に無申告加算税・重加算税を課されていない、また、過去5年以内にこの免除規定の適用を受けたことがないこと

ポイントは、「提出」だけでなく「納付」も期限に間に合っている必要があること。

条件を外れると、自主申告でも原則5%、税務署の事前通知後だと10〜25%、調査で漏れを把握された後だと15〜30%と段階的に重くなります。

ここまでの計算ルールは、個人も法人もまったく同じです。

2.個人は「振替納税」、法人にはない

異なる点として、個人には「振替納税」があります。

期限内に申告したうえで振替納税を選んでおくと、実際の口座引き落としは4月中旬〜下旬になり、納付が実質的に約1か月猶予されます。

ただし、振替納税はあくまで期限内申告が前提の制度です。
期限後申告には使えないため、期限後申告をする場合は、申告書を提出するまでに納付書で本税を納める必要があります。

<振替納税を登録済みの人が期限後申告になった場合の特例>

過去に振替納税の手続きを済ませていた人が、その年の申告を期限後(1か月以内)に行った場合には、無申告加算税の免除要件にある「納付条件」が次のように読み替えられます。

・原則: 法定納期限(3月15日)までに全額を納付していること
・振替納税登録済みの場合: 期限後申告書を提出した日までに全額を納付していること

つまり、法定納期限には間に合わなくても、期限後申告書を出す時点で同時に納付していれば、この条件を満たせます。

期限後申告までに納付書で納める必要がある点に注意が必要です。

一方、法人には振替納税の制度がありません。

そのため、たとえ1か月以内に期限後申告をしても、本税を法定納期限(申告期限と同じ日)までに納めていなければ、この免除(無申告加算税の不適用)は受けられません。

3.無申告加算税を避ける手段

法人が、決算確定が間に合わないなどの理由で2か月の申告期限に出せないときは、「申告期限の延長の特例」を申請しておきます。

「申告期限の延長の特例」とは、決算がどうしても2か月以内に固まらない会社のために、法人税の申告書の提出期限だけを1か月後ろにずらせる制度です。

手続きは、適用を受けたい事業年度の終了の日までに、「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請書」を所轄の税務署へ提出します。
いったん承認されれば、原則として翌年度以降も継続して適用されます。

これをしておかないと「期限後申告」となり、無申告加算税の対象になってしまいます。
延長は、いわば無申告加算税を避けるための備えです。

ただし注意点があります。延長されるのは「申告期限」だけで、「納付期限」は延びません。

延長期間の税額には利子税(延滞税やペナルティとは別物)がかかります。
これを避けるため、実務では本来の納付期限までに概算で納める「見込納付」を行うのが一般的です。

4.まとめ

・加算税の計算ルール(税率・1か月以内の不適用条件など)は、個人も法人も共通。
・加算税=申告の遅れ/延滞税・利子税=納付の遅れ、という切り分けが重要。
・納税の猶予は大きく違う。個人は振替納税で実質1か月、延滞税なしで待ってもらえる(期限内申告が前提)。法人にはこの制度がなく、遅れれば延滞税。
・法人は、出せないときは申告期限の延長で無申告加算税を回避できるが、納付期限は延びないため、利子税対策として見込納付が必要。

2026/10/09

東京に仕事を求めてやってくる単身者増加中…不動産投資は、立地で決まる

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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