不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

個人所有する車。個人事業や法人の事業で使用する場合の手続きは?

現在個人で所有している車を、個人事業用もしくは法人の持ち物にしたいのですが、
その際、何らかの移管費用等を計上する必要があるのでしょうか?

個人所有の車は、事業で使用する形態に応じて、名義変更や経費処理の対応が異なります。

1.個人で所有している車を個人事業用として使用する場合

個人名義の車を、そのまま個人事業で使っても問題ありません。
所有者が変更するわけではないので、名義変更のような煩雑な手続きは不要です。

そして、事業で使用した分だけ(事業使用割合)を計算し、
ガソリン代や保険料、車検費用などを「車両費」として事業の経費に計上します。

たとえば、車を月のうち半分を事業で使用しているなら、
各種費用の50%を経費にするイメージです。


2.個人所有の車を法人で使用する場合

(1)名義変更が必要

車検証の名義を「法人名義」に変更する手続きが必要です。
名義変更は陸運局で行いますが、印鑑証明書などの書類が必要になります。

名義変更にかかる諸費用(登録手数料や税金など)は、法人の経費として計上できます。

(2)個人から法人への移転原因

個人と法人は別人格なので、「売買」として処理するのが一般的です。

売買金額は「公正な時価」で設定する必要があります。
不当に安い(または高い)価格にすると、税務署から取引を否認されるリスクがあります。

具体的には、中古車査定の金額や未償却残高で売却することになります。

(3)社内での承認

役員と法人との取引は「利益相反取引」に該当します。

取締役会や株主総会などで正式に承認しておくことが必要です。

・「車を購入すること」
・「適正価格で売買すること」
これらを承認し、議事録を作成・保管しておくことが重要です。
後日、税務調査で確認される可能性があります。

(4)自動車保険の変更

車の名義が法人になると、保険契約者も法人名義に切り替えなければなりません。

個人で契約していた自動車保険の割引等級が、
そのまま法人契約に引き継げるケースもありますので、保険会社に相談してください。

2025/07/04

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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