同族法人から個人役員へ貸し付ける場合の注意点
個人で不動産を購入にあたり、私が役員になっている同族法人からお金を貸し付けてもらうことを考えています。
何か気をつけるべきことはありますか?
以下にまとめました。
役員貸付金の必要な手続き
同族法人から役員に対してお金を貸し付けることは可能です。
しかし、同族法人から役員へのお金の支出が、役員賞与と判断される可能性があります。
役員賞与になると、個人の所得として課税され、法人の支出は経費にならないことになってしまいます。
役員賞与とならないためには、貸付金である証拠を残す必要があります。
◯借用書を作成する
貸付の目的や返済計画などを記載のある借用書(金銭消費貸借契約)を残すことがよいでしょう。
なお、会社から役員への貸付には、原則として、利息が必要です。
(役員から会社への貸付には無利息であっても問題ありません)
無利息や低利息で貸し付けた場合、税務上は適正の利率との差額が役員報酬として課税されることになります。
適正な利率は、国税庁のホームページに記載されています。
「令和4年から令和6年中に貸付けを行ったもの:0.9パーセント」というように年によって、金利情勢を踏まえたパーセンテージが提示されています。
◯貸付をするための決議と議事録を作成する
役員への貸付は、会社法上の利益相反取引に該当するため、株主総会や取締役会での承認を得る必要があります。
その証明として議事録を作成し保存しておくことが必要です。
役員貸付金のデメリット
役員貸付金が会社の決算書に計上されていると、金融機関としては印象が悪くなる可能性があります。
金融機関は融資した場合の「資金使途」を重要視します。
資金使途とは、融資を受ける場合の、お金の使い道のことです。
例えば、住宅ローンであれば、住宅を購入することが資金使途であり、それ以外にお金を使ったら資金使途違反になります。
役員貸付金が多いと、会社にお金を貸すと、役員個人にお金が流れてしまうのではないか、資金使途違反を起こすのではないかと疑われることになるのです。
今後、金融機関から融資を受けようと考えている方には、役員への貸付けは慎重に判断された方がよいでしょう。
2025/04/04
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士