不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

売上がない状態で経費を確定申告に計上できる?

まだ物件を購入する前の段階で、売上がない状態ですが、経費を確定申告に計上することは可能でしょうか?

物件を購入する前の段階で売上がない場合でも、経費を確定申告に計上することは可能です。内容によって扱いが分かれます。

開業費に該当するか

開業前、つまり、賃貸不動産を購入する前に、かかった経費は、開業費に該当すれば繰延資産として計上できます。

開業費としての繰延資産は、60ヵ月の均等償却又は任意償却のいずれかの方法で償却(経費)することが可能です。

しかし、開業前にかかった経費がすべて開業費になるとは限りません。

開業費は、下記の3要件を満たすものでなければならないとされています。

  • 事業に関する費用であって、かつ、支出の効果が1年以上に及ぶもの
  • 資産の取得に要した費用もしくは、前払費用でないこと
  • 開業準備のために特別に支出した費用であること
  • 例えば、コンサルティング費用などが該当します。

    経費として認められるかどうか

    上記の開業費に該当しないものは、その年の経費に計上することになります。

    経費として認められるかどうかは、「事業に関連しているかどうか」がポイントです。

    例えば、賃貸物件を探すために不動産会社とやり取りする際の通信費などであれば経費計上は可能と考えます。

    この場合に、注意しなければならないのが、本当に売上に繋がるのかどうかです。

    経費だけが計上されて、直近で売上が計上されないのでは、本当に事業に関連しているのかが疑わしくなります。

    最悪の場合には、「事業性がない」と判断されて、不動産所得でなく、副業としての「雑所得」に区分されてしまうことです。

    雑所得のマイナスは、他の所得と相殺(損益通算)ができないものになるため、雑所得の経費と認定されてしまうと、経費が計上できたしても切り捨てになってしまいます。

    2025/03/14

    今の日本の人口動向に沿って設計「新築一棟投資法」とは?解説本無料プレゼント

    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    渡邊 浩滋

    税理士・司法書士

    経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

    記事一覧