屋上防水工事500万円は全額修繕費でよい?
屋上防水工事で500万円かかりました。
全額を修繕費に計上できますか?
防水シートを屋根全体に覆う工事をしています。
屋上防水工事は原則、修繕費で計上して問題ないと考えます。
屋根全体の工事をしているとのことですが、平成11年10月15日裁決事例では、
「雨漏り部分だけではなく、屋上全体に施工したことは、雨漏りの経路を特定し補修することが困難なことから維持管理のためにやむ得ない措置であったと認められる」
として修繕費として認定されています。
また、防水シートを覆う工事をしていることについては、昭和63年10月25日裁決事例では、
「単なる防水膜の貼付する程度のものでは屋根の効用価値や建物の強度を高めることにはならない」
として修繕費として認定されています。
過去の裁決事例から下記に該当している場合には、修繕費と認定される可能性が高いと言えます。
雨漏りが発生している。もしくは、屋根に亀裂が生じている
防水保証期間を超えている
一般的な工法で行われている
家賃の値上げがない
屋根カバー工法ではない(※)
(※)雨漏りの補修するために行った工事であっても、物理的に付加した「屋根カバー工法」によった工事は資本的支出と判断された裁決(平成13年9月20日)があります。
なお、修繕費か資本的支出かの判断に迷う場合は、工事金額が建物の取得価格の10%以下であれば、修繕費として計上して問題ないと考えます。
2023/12/01
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士