不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

インボイスの媒介者交付特例。管理会社と不動産オーナーの間で取り交わす書面は必要?

管理会社です。媒介者交付特例を使って借主へのインボイス対応を考えています。

このときに管理会社とオーナーで書面等交わす必要はないのでしょうか?

また、借主に交付するインボイスが媒介者交付特例を使って発行されたものだとどうやってわかるのでしょうか?

媒介者交付特例を適用する場合の不動産オーナーと管理会社との間の取り交わしについては、インボイス通達に規定されています。

3-7 (媒介者等に対する通知の方法)

適格請求書発行事業者が、媒介者交付特例を受けるには、媒介者等が課税資産の譲渡等の時までに事業者から適格請求書発行事業者の登録を受けている旨の通知を受けていることが要件となるが、当該通知の方法については、例えば、当該事業者が個々の取引の都度、事前に登録番号を当該媒介者等へ書面等により通知する方法のほか、当該事業者と当該媒介者等との間の基本契約書等に当該事業者の登録番号を記載するといった方法がある。

つまり、通知の方法として次の2つが考えられます。

個々の取引の都度、事前に不動産オーナーから登録番号を書面等により通知する方法

基本契約等(管理委託契約など)により不動産オーナーの登録番号を記載する方法

都度通知するのは現実的ではないと思いますので、管理委託契約書に記載することがよいでしょう。

不動産オーナーの請求と管理会社の請求の区別については、国税庁Q&A問48に次のように記載されています。

「媒介者交付特例により適格請求書の交付を行う受託者が、自らの課税資産の譲渡等に係る適格請求書の交付も併せて行う場合、自らの課税資産の譲渡等と委託を受けたものを一の適格請求書に記載しても差し支えありません。」

したがって、不動産オーナー分の請求と管理会社分の請求の区別は必要ないと考えます。

媒介者交付特例は、管理会社も不動産オーナーも登録事業者であることが前提になっています。

借主は仕入税額控除ができればインボイスの交付を受ける目的は達成されるため、不動産オーナーからの請求か管理会社からの請求かの区別ができなくても、インボイス上は問題ないためと考えます。

2023/11/17

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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