インボイス登録。令和5年と令和6年で違いある?
現在、免税事業者ですがインボイス登録しようか迷っています。
様子をみるために令和5年に登録せずに、令和6年に登録しようかと思っています。
何か違いがありますか?
いつ登録するかによって、いつ辞められるかの違いが出ます。
免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日に属する課税期間中において、令和5年10月1日後に登録を受ける場合には、適格請求書発行事業者の登録申請書に登録希望日(提出日から15日以降の登録を受ける日として事業者が希望する日) を記載することで、その登録希望日から課税事業者となる経過措置が設けられています。
免税事業者は経過措置の期間中は、好きなタイミングで課税事業者になれることになります。
この経過措置の期間中に登録を受けるに当たり、課税選択届出書を提出する必要はありません。
令和5年は登録せずに、令和6年に入ってから登録することも可能です。
しかし、この場合の違いが出てきます。
経過措置の適用を受ける登録日の属する課税期間が令和5年10月1日を含まない場合は、登録日の属する課税期間の翌課税期間から登録日以後2年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間については免税事業者となることはできません。
2年間課税事業者が強制され、2年間は免税事業者に戻れないことになります。
例えば、個人が令和5年中にインボイス登録した場合には、登録取消届出書(期末から15日前の前日までの提出が必要)を提出することによって、令和6年から免税事業者に戻ることが可能です。
しかし、個人が令和6年にインボイス登録した場合には、2年間課税事業者が強制されるため、登録取消届出書を提出したとしても、令和7年に免税事業者にはならず、課税事業者が継続されます。
最低でも2年間は課税事業者が縛られるのです(2年縛り)。
なお、経過措置の期間中に登録を受けるに当たり、課税選択届出書を提出していないため、令和5年に登録しても、令和6年に登録しても、3年縛り(※)の規定の適用はありません。
(※)3年縛りとは、課税事業者選択届出書を提出した場合などの2年間の強制適用期間中に、調整対象固定資産(税抜き100万円以上の棚卸資産以外の資産)を購入した場合に、3年間課税事業者が強制される制度
いつ登録するかによって、いつ辞められるかの違いが出ます。
令和5年に登録すれば、令和5年末で辞められるため、インボイスのお試しをするなら、令和5年中の登録の方がよいかもしれません。
2023/09/15
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士