不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

支払い済だが、引き渡し前の修繕費用は今期の経費?

法人で賃貸物件を所有しています。

今期に建物の大規模修繕(外壁塗装)を行いました。今期の期末に修繕が完成するか、しないか微妙です。
修繕費用の支払いは、半金を契約時に支払い、残金を完成時に支払う予定になっています。

今期中の経費にしたいために、残金を先に払ってしまおうと思っています。

残金を払って、領収書をもらえば、今期中の経費にすることは可能ですか?

今期に工事が完成していないと、経費にすることは難しいです。

修繕契約は、請負契約になります。請負契約は、請負工事が完成して、引き渡したときに、契約が履行されたことになります。

たとえ、代金を先に支払ったとしても、請負工事が完成していないと、支払義務が確定しないために、経費にすることはできません。

したがって、今期に工事が完成していないと、経費にすることは難しいです。

なお、過去の裁決事例では、外壁の塗替えが完成しても、足場が取り外されていないと、請負工事が完成とは言えないとして、経費にすることを否定された事例があります。

2018/11/04

今の日本の人口動向に沿って設計「新築一棟投資法」とは?解説本無料プレゼント

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧