母の土地に子の賃貸物件。土地の相続税減額はない?
母が所有する土地に、賃貸料を払うことなく子が土地を借りて、その土地の上に賃貸住宅を建て、サブリースをして収入を得ています。
母の相続の際、その土地は、母が事業主でないため、自用地として評価され、借地権等の評価減も受けられないのでしょうか?
また、賃貸していないため、賃貸用の小規模宅地の50%評価減の特例が受けられないのでしょうか?
土地は使用貸借(タダで貸している契約)となり、貸していることの(借地権や貸家建付地としての)減額は受けられません。
まず、現状親の土地に子の賃貸物件が建っている状況で、地代の支払いがない場合には、土地は使用貸借(タダで貸している契約)となり、貸していることの(借地権や貸家建付地としての)減額は受けられません。
なお、個人間の場合、「土地の無償返還に関する届出」が提出できないため、地代を支払う場合には、権利金を支払うか、権利金に相当する地代(更地価格の年6%)を支払う必要があります。
小規模宅地の減額については、使用貸借のためお母様の賃貸業にはならず、お母様の事業としての小規模宅地の減額は適用できません。
しかし、母と子が同一生計親族であれば、母の同一生計親族(子)の賃貸用として50%減額を適用することは可能です。
別生計親族であれば、減額の適用はありません。
なお、子の建物を法人に売買などで移転することで、「土地の無償返還に関する届出」を提出し、法人からお母様に土地の地代を払うことで、土地の評価が貸宅地(20%減額)、小規模宅地の減額の適用をすることができます。
移転費用がかかりますが、検討する価値はあるかと思います。
2021/11/29
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士