不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

新聞の年間購読料は全額経費でよい?

賃貸経営に関する新聞を購読しています。

12月に1年分の購読料を払ったのですが、この購読料は全額経費にしてもよいのでしょうか?

その年に対応する購読料だけを経費にして、翌年に対応する購読料は「前払金」として資産計上するものになります。

まず賃貸経営に関する新聞は、賃貸をしていることで購読されているものと思われますので、経費にすることは可能です。

ただし、年間購読料を払った場合には、その年に対応する購読料(今回の場合は12月分)だけを経費にして、翌年に対応する購読料は「前払金」として資産計上するものになります(前払金は、翌年に経費になるものです)。

なお、短期前払費用という考えがあります。
1年以内に役務が提供されるものは、全額を支払った年の経費にしてもよい、という考え方です。

短期前払費用と認められるのは、次の4要件を満たした場合になります。

①一定の契約に従って継続的に役務(サービス)の提供を受けること
(このサービスは等質等量であることが前提になります)

②役務の提供の対価であること

③翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること

④現実にその対価として支払ったものであること

新聞代は「物の対価」に該当し、「役務の提供の対価」ではないと考えられるため、短期前払費用として全額経費にすることはできません。

したがって、12月分の購読料のみを経費にすることになります。

2021/08/25

不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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