耐用年数を長くするのは、税金が多くなるので問題ない?
個人で築古のアパートを購入しました。
中古の耐用年数で計算すると4年で償却することになって赤字になります。
赤字にはしたくないので、10年で償却したいのですが、税金が減るわけでもなくむしろ多く税金を払うことになるため税務署は何も言わないと、大家仲間から言われました。
問題ないでしょうか?
中古の耐用年数は、使用可能期間として見積もられる年数を使うのが原則です。
見積もるのが難しい場合には、例外的に簡便法を使用できることになります。
大抵は見積もることが難しいので簡便法による算式を使うのが一般的になっています。
簡便法によると4年になるのかと思います。
使用可能期間として見積もれるのであれば10年で償却することができます。
しかし、税務署から後から否認されないように根拠ある年数でなければいけません。
勝手に決めることはリスクがあります。
できれば第三者(専門家など)の鑑定書や意見書などの証拠があることが望ましいです。
減価償却を少なくして税金が増えるから、税務署からは否認されないのではないかという意見ですが、そんなことはありません。
所有しているときは税金は大きくなりますが、売却するときは税金は少なくなります。
譲渡所得は、譲渡収入-(取得費 + 譲渡費用)で計算します。
譲渡所得の計算では、所有時に償却した減価償却費は購入金額から差し引いた残額を取得費と認識します。
つまり、所有時に減価償却を少なく計算してきたことが、売却時に譲渡税が少なくなることで問題視される可能性があるのです。
しかも、過去少なく計上した減価償却は5年前のものしか修正ができないことになっています。
見積法を適用する場合には、根拠のある年数を使うべきと考えます。
2020/08/13
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士