不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

賃貸経営を相続、税務署に必要な手続きとは?

今年の10月頃に相続が発生して、賃貸経営を引き継ぐことになりそうです。
税務署に何か手続は必要でしょうか?

青色申告をする場合は税務署に申請が必要です。

先代の方が青色申告による申告をしていたとしても、相続人が当然に青色申告になるわけではありません。
青色申告をしたければ、相続人が自ら承認申請を行わなければなりません

青色申告承認申請の通常の期限は、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日)までが期限になります。

しかし、相続により事業を承継した場合には、それぞれの状況によって提出期限が異なりますので、気をつけなければなりません。

(1)被相続人が白色申告をしていた場合

業務を承継した日から2ヵ月以内
※その年の1月15日以前に相続があった場合は、3月15日まで。

(2)被相続人が青色申告をしていた場合

  • その死亡の日がその年の1月1日から8月31日までの場合・・・死亡の日から4ヵ月以内
  • その死亡の日がその年の9月1日から10月31日までの場合・・・その年の12月31日まで
  • その死亡の日がその年の11月1日から12月31日までの場合・・・翌年の2月15日まで

本事例の場合、10月に相続が発生すれば、12月31日が提出期限になります(被相続人が青色申告にしていた場合)。
準確定申告※の期限(相続後4月以内)とは、異なることになりますので、気を付けてください。

※準確定申告:年の中途で死亡した人の場合は、相続人が申告と納税をすること。

2019/08/01

人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

記事一覧