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八重洲再開発が都市計画決定/地下からの移動も改善

2020/02/16
インベストオンライン編集部
八重洲再開発が都市計画決定/地下からの移動も改善

東京建物株式会社はこのほど、「(仮称)八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」の都市計画決定および東京圏の国家戦略特別区域の特定事業として、内閣総理大臣により認定を受けたと発表しました。

進行中の再開発事業なかでもとくに東京駅日本橋口に近く、東京メトロ等日本橋駅直結という交通利便性が高いという特徴を持つこの事業の再開発に注目します。

東京建物株式会社のニュースリリース

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国際都市東京に相応しい象徴性を持った都市景観を形成

▼周辺建物との調和した高層部のデザイン(完成予想図)
八重洲北地区
東京駅周辺は、世界有数の地下歩行者ネットワークが形成されており、また、国内外と東京を結ぶ交通機能が集積していますが、日本橋駅周辺の地下歩行者ネットワークとの接続が課題になっていました。

同社は八重洲一丁目北地区再開発準備組合の一員として、中央区八重洲一丁目1番地において「(仮称)八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」を推進。2019年4月に都市再生特別地区の都市計画提案を行い、その後各種手続きが完了し、今回の決定および認定に至りました。


本事業により、駅・まち・川をつなぐ地上・地下・デッキの歩行者ネットワークが整備され、地下鉄から地上へストレスなく移動できる動線が作られることになります。

▼その他の八重洲・日本橋地区の再開発についてはこちら
日本橋の再開発、続々と/首都高地下化で空が開ける

計画地は東京駅日本橋口至近、東京メトロ等日本橋駅直結

計画地立地は[東京都中央区八重洲一丁目1 番他]。
複数進行中である八重洲・日本橋地区の再開発地区のなかでもとくに東京駅日本橋口至近、東京メトロ等日本橋駅直結という交通利便性の高い場所です。

位置図▼
位置図
また、国は「国際金融都市・東京」構想を掲げており、本事業は「東京国際金融センター構想」の金融軸の中心に位置する計画となっています。

本再開発事業の特徴と整備方針

用途は事務所・店舗・宿泊施設・駐車場・店舗等。
本事業の主な特徴・整備方針としては、下記3点が挙げられています。

1.日本橋川沿いの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備
2.国際競争力の強化に資する金融拠点の形成
3.防災対応力強化と環境負荷低減

1.日本橋川沿いの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備

事業の特徴としてまず挙げられるのが、川沿いの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備です。

日本橋川交流拠点の象徴となる広場空間の整備

ゲート広場イメージ

日本橋川交流拠点の象徴となる、地上レベルからも2・3Fレベルからも水辺を楽しめる重層的な広場空間が整備されます。

日本橋川沿いの5地区が連携し、水辺空間の入口となるゲート広場約1,000 ㎡が整備される予定です。

デッキレベルの歩行者ネットワークの整備

日本橋川沿いの連続的な水辺空間と

下記により、駅、まち、川をつなぐ地上、地下、デッキレベルの歩行者ネットワークが整備されます。

  • 東京駅・地下鉄大手町駅・地下鉄日本橋駅を接続する地下通路の一部区間を整備し、東京駅周辺の広い範囲で歩行者ネットワークを強化
  • 東京駅・地下鉄日本橋駅から日本橋川沿いをつなぐ地上・地下・デッキレベルの歩行者ネットワークと縦動線の整備
  • 日本橋川沿いエリアの水辺空間の創出に合わせ、区道272号線および区道13号線を再整備

首都高地下化の実現に向けた協力

街づくりと連携して、首都高地下化に向けた各種協力の取り組みが行われています。

昭和39年の東京オリンピック開催をきっかけに、日本橋の上空を覆うように建設され、55年以上が経過した首都高速都心環状線は、今では劣化による損傷が目立っています。

造り変えの必要に迫られているタイミングで当事業を含む八重洲・日本橋の土地再生プロジェクトが続々と立ち上がったこともあり、街づくりと連携して、首都高地下化に向けての取り組みが行われており、本事業でも、各種協力が実施されます。

首都高地下化への取組みへの協力内容▼
首都高地下化への取組みへの協力内容

2.国際競争力の強化に資する金融拠点の形成/MICE機能も

高度金融人材の活動支援の場として、商談やビジネス交流、アフターコンベンションなど、様々なビジネスシーンで快適に利用・滞在できる施設が整備されます。

また、周辺地区で整備が予定されている都市型複合MICE*拠点と連携し、日本橋川沿いエリアの国際金融・MICE機能の強化に貢献するとのことです。

※MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称です。

周辺地区との連携イメージ▼
周辺地区との連携イメージ

防災対応力強化と環境負荷低減

防災対応防災対応力強化のため、災害発生時、帰宅困難者に屋内の受入スペース(合計約1,400㎡、約850名受入可能)および屋外の一時待機場所(約1,500㎡)の確保、防災備蓄倉庫(約150㎡)が整備されます。

また、耐震性に優れたコジェネレーションシステム(CGS)および非常用発電施設等の、災害時に強い自立・分散型エネルギーシステムを導入するとのことです。

環境負荷低減の手段としては、電力と熱を供給を大規模高効率コジェネレーションシステム(CGS)、CGS廃熱の直接利用、廃熱熱利用冷凍機および蓄熱槽を組み合わせた高効率な地域冷暖房(DHC)プラントを整備、さらに既存の八重洲日本橋DHCとの連携(既存プラントへのエネルギー供給)などがあり、これにより、地域全体でのエネルギーの効率的利用が促進される計画となっています。

予定工期は着工2025年度~、竣工2035年度

計画概要では、
敷地面積:約9,260 ㎡(全体)、延べ床面積:約181,500 ㎡(全体)。
建築物の高さ:235m
階数:地上45階、地下5階 となっています。
広場空間のほか、事務所・店舗・宿泊施設が構成する複合ビルが整備される予定です。
また、本体着工は2025年度、竣工予定は南街区2030年度、北街区2035年度となっています。

都市再生特別地区(八重洲一丁目北地区)都市計画(素案)の概要/内閣府

首都高の地下化とこの再開発事業により、2035年には今の八重洲・日本橋の景観は大きく変わります。
国際都市・東京に相応しい象徴性を持つ新たな都市景観の完成が楽しみです。

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