東京のみが引き続き活発傾向 土地取引状況
国土交通省は1月7日、土地取引動向調査(平成30年8月調査)の結果を公表しました。
「土地取引動向調査」は、国土交通省が土地市場の動向に大きな影響を及ぼすと考えられる主要な企業を対象に半年に一度(2月と8月)行っている調査で、土地取引などに関する短期的な意向を把握・整理し、簡潔で分かりやすい「先行指標」の作成・提供を目的としています。
この調査では数値化しづらい業況感や定性的な対象を、アンケートの回答の割合を用いて数値化した【DI】という数値(ポイント)で示されます。
調査期間:平成30年8月調査
対象企業:上場企業2,700社、非上場企業(資本金10億円以上)1,655社、計4,355社
有効回答数/有効回答率:1,108社/25.4%
国土交通省 平成30年度「土地取引動向調査(第1回調査)」の概要について
以下、東京=23区内、大阪=大阪府内、その他の地域=その他すべての地域を指します。
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1.土地取引状況についての判断
この項目は各地域(東京・大阪・その他の地域という区分)に本社を持つ企業に対して、一般論として土地取引の状況に対するアンケート(選択肢は「活発」「不活発」「どちらでもない」)調査の結果となります。
結果を見ると、①現在、②1年後の予想ともに土地取引状況は東京のみDIが増加。
「大阪」、「その他の地域」のDIは減少となりました。
前回大きく伸びていた「大阪」は10.7ポイント減少と、「不活発である」という回答が目立った結果になっています。
※下記①②のDI=「活発である」-「不活発である」の割合
①現在の土地取引状況の判断(DI)
東京:43.1ポイント(7.3ポイント増加)
大阪:31.1ポイント(10.7ポイント減少)
その他の地域:-2.7ポイント(7.1ポイント減少)
②1年後の土地取引状況の予想(DI)
東京:33.4ポイント(0.9ポイント増加)
大阪:21.4ポイント(4.8ポイント減少)
その他の地域:-4.0ポイント(6.4ポイント減少)
2.地価水準についての判断
この項目は各地域(同じく東京・大阪・その他の地域という区分)に本社を持つ企業に対して、本社所在地における地価水準に対する判断について、「現在」と「1年後の予想」をきいたアンケート結果となります。
結果をみると、現在の地価水準はすべての地域で増加、1年後は大阪のみが増加となっています。
①現在の地価水準の判断(DI)
「現在」の地価水準についての判断のアンケート結果です(選択肢は「高い」「低い」「適正である」の3つで、DI=(高い)-(低い)の割合)。
東京:60.1ポイント(1.3ポイント増加)
大阪:29.4ポイント(1.2ポイント増加)
その他の地域:1.5ポイント(1.2ポイント増加)
②1年後の地価水準の予想(DI)
「1年後」の地価水準の予想のアンケート結果です(選択肢は「上昇が見込まれる」「横ばい」「下流が見込まれる」の3つで、DI=(上昇が見込まれる)-(下落が見込まれる)の割合)。
東京:46.7ポイント(0.8ポイント減少)
大阪:38.2ポイント(12.0ポイント増加)
その他の地域:0.3ポイント(3.2ポイント減少)
3.土地の購入・売却/自社利用する土地・建物
同調査では「土地の購入・売却の意向」や「自社利用する土地・建物の増加・減少の意向」等のアンケートも同時に行われました。
下記はそれぞれ「今後1年間における意向」の調査結果となります。
「土地の購入・売却の意向」についての調査
「購入意向」は東京とその他の地域でやや増加、大阪はほぼ横ばいでした。
「売却意向」についてはすべての地域で増加となっています。
DI(「購入」―「売却」)は、すべての地域で減少しています。
▼DI(「購入」―「売却」)
東京:1.3ポイント減少
大阪:0.8ポイント減少
その他の地域:2.7ポイント減少
「自社利用する土地・建物の増加・減少の意向」の調査
物件所在地別のDI=(「増加」-「減少」)は、すべての地域で増加しています。
▼DI=(「増加」-「減少」)
東京:4.3ポイント増加
大阪:2.3ポイント増加
その他の地域:1.3ポイント増加
いかがでしたでしょうか。
前回の調査ではすべての地域が活発傾向であった土地市場の動向ですが、今回の調査では東京のみが引き続き「活発である」という結果になりました。
土地の購入・売却については購入意向よりも売却意向が増加している傾向がつづいているようです。
今後の土地取引はこの傾向が続くのでしょうか。引き続きレポートしていきます。
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