コロナ影響でIT重説可能に/建築士法に基づく重説
国土交通省は、5月1日に新型コロナウイルス感染症の拡大により、対面による説明が困難化している実情に鑑み、対面ではなく、テレビ会議などのITを活用して重要事項説明を行う「IT重説」についても、当面の暫定的な措置として、建築士法に基づく重要事項説明として扱うと発表しました。
国土交通省:新型コロナウイルス感染症対策のため、暫定的な措置として、建築士法に基づく重要事項説明について、対面ではない、ITを活用した実施が可能となりました
【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら
対面からITを活用した重要事項説明へ
これまで、建築士法に基づく重要事項説明については、設計受託契約などの前に建築士から建築主に対し、重要事項を記載した書面を交付して行われてきました。
この制度は、対面による説明を行うことを前提に運用されてきましたが、今やコロナの影響で対面による説明が困難になっています。
こうした問題に対処するため、暫定的な措置としてインターネットを介した説明であっても、建築士法に基づく重要事項説明として扱うことになったようです。
IT環境として、その内容を十分に理解できる程度に、映像を視認でき、かつ、音声を聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境があれば、使用する端末、ソフトなどに制限はありません。
IT環境の整備が困難な場合
指針ではテレビ会議などのITを活用することを前提としていますが、建築主がITの整備が困難である時など、
やむを得ない事情がある場合には、
「重要事項説明を事前に録画したメディアを送付し、質疑に関しては電話等で対応する」
といった柔軟な対応でも差し支えないとしています。
ITを活用した建築士法に基づく重要事項説明暫定運用指針
国土交通省が発表した、ITを活用した重要事項説明(以下「IT重説」という)の運用指針を見てみましょう。
① 建築主の事前同意
建築士は、重要事項説明の方法について、建築主の意向を事前に書面やメール等の記録が残る方法にて確認し、IT重説により実施することの同意を得ます。
② 建築主のIT環境の事前確認等
建築士は、①とともに、建築主側に十分なIT環境があることを確認します。
また、IT重説の日時を確認します。
③ 重要事項説明書の事前送付
建築士は、建築主に、事前に重要事項説明書の書面を郵送にて送付します。
④ IT重説の開始前の建築主の準備の確認
IT 重説を実施する日時において、建築士は、IT重説の開始前に、建築主が説明を受けることができる状態にあることや、IT環境の準備ができていることを確認します。
その後、建築士は適切なIT環境の下、建築主とテレビ会議等を開始します。
⑤ 建築主の本人確認
建築士は、IT重説の開始前に、テレビ会議等の画面上で建築主が本人であることを確認します。
⑥ 建築士免許証等の確認
建築士は、IT重説の開始前に、テレビ会議等の画面上で建築主に建築士免許証明書等を提示します。
それにより、建築主はその資格を確認します。
⑦ IT重説の実施
建築士は、テレビ会議等の画面上でIT重説を行います。
暫定措置の今後の取り扱いについて
この暫定措置の今後の取り扱いについては、今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況などを踏まえ、改めて通知することが予定されています。
また、中長期的なIT重説の在り方については、今後社会実験の実施及びその結果の検証などを進めることとしており、こちらも今後どうなるか通知が待たれます。
現在、コロナの影響でこうした暫定措置は多くの場面で適用されています。
不動産取引などに関して、滞りなく進めていくためには、暫定措置の適用はあるか、期限はいつまでかなど、公的な情報を確認することがポイントとなりそうです。
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは