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いまだ投資熱冷めず─不動産投資家調査

2020/02/16
インベストオンライン編集部
いまだ投資熱冷めず─不動産投資家調査

一般財団法人 日本不動産研究所は第38回「不動産投資家調査」(2018年4月現在)の調査結果を公表しました。
「不動産投資家調査」は不動産投資家および不動産投資に関連のある業者などを対象にアンケート方式で行われています。
調査対象はアセット・マネージャーやアレンジャー、デベロッパー、生命保険、不動産賃貸など199社。回答社数は151社です。

不動産投資家の投資意欲は引き続き積極的であるようです。詳しい動向を見ていきましょう。

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賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回りは横ばい・低下が混在

東京は城南が横ばい、城東が低下。
全国の主な政令指定都市でも利回りは低下と横ばいが混在する結果となりました。

東京(城南・城東)と全国の主な政令指定都市の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り▼

賃貸住宅1棟期待利回り

日本不動産研究所 「第38回 不動産投資家調査」を参考に作成

2004年からの東京 城南地区の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り動向▼

城南地区の賃貸住宅一棟期待利回り動向

日本不動産研究所 第38回 不動産投資家調査

城南地区…渋谷、恵比寿駅まで15分以内の鉄道沿線
城東地区…東京、大手町駅まで15分以内の鉄道沿線

Aクラスビルの期待利回り

東京のAクラスビル

東京のAクラスのオフィスビルは、「不動産投資家調査」の代表的な調査地区「丸の内・大手町地区」は横ばい。
その他の地区で「上昇」はなく、「横ばい」と「低下」が混在しています。

東京のAクラスビル(オフィスビル)の期待利回り▼

東京Aクラスビル期待利回り
日本不動産研究所 「第38回 不動産投資家調査」を参考に作成

主な政令指定都市のAクラスビル

東京と比べ相対的に高利回りである政令指定都市。
こちらのAクラスビルの期待利回りは、すべての調査地区で0.1~0.2ポイントの低下という結果になりました。

主な政令指定都市のAクラスビル(オフィスビル)期待利回り▼

政令指定都市のAクラスビル
日本不動産研究所 「第38回 不動産投資家調査」を参考に作成

1999年からの「Aクラスビル(オフィスビル)の期待利回り」動向▼

Aクラスビル(オフィスビル)の期待利回り
日本不動産研究所 第38回 不動産投資家調査

商業店舗・他アセットも期待利回りは低下傾向

前述の通り、賃貸住宅、オフィスともに期待利回りは低下傾向となりましたが、他のアセット(商業店舗、物流・倉庫、宿泊特化型ホテル)についても同傾向となっています。
なかでも商業店舗(都心型高級専門店)の低下は際立ち、東京 銀座は調査開始以来最低基準(前回比マイナス0.1ポイントの3.5%)に。地方都市についてもすべての調査地区で0.1~0.3ポイント低下という結果になりました。

2004年からの「東京(銀座・郊外型SC)の商業店舗の期待利回り」動向▼

「Aクラスビル(オフィスビル)の期待利回り」動向
日本不動産研究所 第38回 不動産投資家調査

投資意欲は積極的 投資家今後1年間の投資スタンス

今後1年間の投資スタンスについてのアンケートでは、「新規投資を積極的に行う」という回答が90%で、前回調査より1ポイントアップ。投資家の投資意欲は全体としては積極的な姿勢が維持しているようです。

2008年からの「今後1年間の不動産投資に対する考え方」調査の動向▼

今後1年間の不動産投資に対する考え方
日本不動産研究所 第38回 不動産投資家調査

インバウンド投資や金利政策 投資家の考える今後の不動産投資市場

不動産投資家調査の特別アンケートとして【「適温相場」の世界経済と不動産投資市場】という調査・公表もされています。
最後に日本の不動産投資市場の今後についての投資家の考え方を見てみましょう。

日本の不動産投資 今後のネガティブ要因は

下記は「日本の不動産投資市場を取り巻く、今後のネガティブな要因として、どのようなものが考えられますか?」というアンケート結果をランキングです▼

1位…金利上昇リスク
2位…突発的な偶発事象(政治や地政学上の問題、自然災害等)
3位…レンダ―の融資姿勢の変化
4位…賃料の伸び悩み
5位…J-REIT投資口価格等、株価の低迷
6位…エクイティ投資家の投資姿勢の変化
7位…その他

日本の不動産投資 今後のポジティブ要因は

同じく、「日本の不動産闘志市場を取り巻く、今後のポジティブな要因として、どのようなものが考えられますか?」というアンケート結果のランキングです▼

1位…インバウンド投資の加速(海外投資家による一層の日本不動産投資)
2位…GPIFなど公的年金による不動産投資
3位…東京五輪関連のインフラ投資の加速
4位…日銀のさらなる追加金融緩和の実施
5位…アベノミクス「新三本目の矢」の進展(一億総活躍社会等)
6位…地方創生・国土強靭化政策の具現化
7位…その他

まとめ

いかがでしたでしょうか。
投資不動産の利回りの動向については全体的に横ばい・低下傾向が目立ちましたが、不動産投資家の投資意欲は依然として積極的であるという結果になりました。
今後しばらく不動産投資市場の熱は冷めないという見方ができそうです。

不動産投資家調査 | 一般財団法人 日本不動産研究所

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最新の不動産投資情報やノウハウをリアルタイムにお届けする、株式会社インベストオンラインの広報担当。投資初心者向けコンテンツから上級向けの物件最新情報まで、広く発信していきます。

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