不動産投資コラム

「オーナーチェンジ物件」のデメリットと対策法

2019/08/21
「オーナーチェンジ物件」のデメリットと対策法

前回 メリットをご紹介したように、オーナーチェンジ物件は、購入直後から家賃収入が得られることから、不動産投資初心者にもおすすめです。
しかし、空室の物件とは違い、一定のデメリットがあることに留意しなければなりません。

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

オーナーチェンジ物件のデメリット

オーナーチェンジ物件は、すでに入居者がいることがメリットですが、反対に次のようなデメリットになる一面もあるため注意が必要です。

室内の確認ができない

室内の確認ができない

現状空室の物件に投資する場合、売買契約に先立って室内を確認して設備等の不具合の有無や、状態について細かく確認することが可能です。

ところが、オーナーチェンジ物件で満室の場合については、室内を確認して購入することができません。よって、現入居者が退去するまで、部屋の中の様子がわからないというリスクを負うこととなります。

対処法:付帯設備表と物件状況確認書をもらいましょう

オーナーチェンジ物件で室内の様子が確認できない場合は、売主に対して「付帯設備表」「物件状況確認書」の作成を依頼しましょう。

付帯設備表とは?

物件室内に備え付けられている設備の詳細を一覧表にしたもので、エアコン、給湯器、ガスコンロ、浴室換気乾燥機といった設備について、メーカー名や年式、交換履歴などが記載されています。

付帯設備表を見れば、いつ頃設備の交換がされているのかがわかるため、購入後に発生する諸修繕の予測が立てやすいです。

ただし、あくまで売主が把握している範囲の情報に限られるため、どこまで詳細な情報がわかるかはケースバイケースになります。

物件状況確認書とは?

当該物件において過去に実施したリフォーム内容の詳細や、水漏れ、雨漏り、シロアリなどの発生履歴などについて記載する書類です。

過去に発生したクレーム内容や、留意すべき点など旧オーナーから新オーナーに引き継ぐべき情報が書かれるので、購入後に思わぬトラブルに直面するリスクを回避できます。

家賃が変更できない

家賃が変更できない

オーナーチェンジ物件は、すでに決まっている家賃が安定的に入ってくることがメリットですが、裏を返せばすでに決まっている家賃を一方的に変更することはできません。

例えば、家賃6万円の物件をオーナーチェンジで購入した後に、相場を調べたら7万円が妥当な金額だと分かったとしても、すでに賃貸されている部屋の家賃を一方的に値上げして条件変更することはできないため注意が必要です。

更新のタイミングなら変更できるのか

賃貸借契約期間の更新のタイミングで値上げを試みる方もいますが、たとえ更新だとしても、よほどの相場変動がない限り、家賃の値上げを実現することは難しいのが現実です。

家賃の値上げについては、原則として借主との合意が必要ですが、ほとんどの場合値上げは拒否されます。

また、下手に家賃値上げ交渉をすると入居者が退去してしまい、家賃収入が途絶えてしまう恐れもあるため、あまりおすすめできません。

オーナーチェンジ物件を購入するのであれば、少なくとも現入居者が退去するまでは、家賃の値上げはできないと考えて、利回りをシミュレーションした方がよいでしょう。

契約内容も引き継ぐ

オーナーチェンジ物件は、旧オーナーと結んでいる賃貸借契約の内容自体もそのまま引き継ぐことになるため、どのような内容の契約を結んでいるのかについては事前に確認が必要です。

例えば、旧オーナーがペットの飼育を許可する内容の賃貸借契約を結んでいる場合、購入後に新オーナーの意向でペット不可とすることはできません。

また、契約内容で注意すべきポイントは「敷金精算」に関する記述です。

敷金の扱いについては、次のようにオーナーの意向によって取り扱いが異なるため、認識にずれがないよう確認しておく必要があります。

  • 敷金が償却扱いになっている
  • 退去時にルームクリーニング費用を控除することになっている

事前に確認しておかないと、本来返還する必要のない敷金まで入居者に返してしまう恐れがありますので、賃貸借契約の内容については必ず一読しておきましょう。

入居者を退去させられない

退去させられない

オーナーチェンジ物件の入居者については、たとえオーナーが変更したとしても、一方的に退去させることはできません

例えば、新オーナーの意向で女性限定物件にしようと考えて、男性入居者との契約を解除したいと思ってもそれはできないのです。

契約期間満了後の更新のタイミングであれば、更新せず退去させられると思っている方が時々おられますが、オーナー側からの更新拒絶には、借地借家法が定める「正当事由」が必要で、よほどの場合でなければ認められません

入居者に家賃滞納などがなく、特段の問題がなければ、たとえ本意ではなくても更新することになります。

対処法:入居申込書は事前に確認を

このように、既存の入居者については退去させられないため、どのような属性の人が居住しているのかについて、事前に売主から「入居申込書」を開示してもらって確認しましょう。

次のような場合については、さらに詳細を確認しておく必要があります。

  • 連帯保証人がいない入居者がいる
  • 入居者が高齢者である
  • 入居者が無職者、生活保護者である

上記のような入居者がいる場合は、賃貸経営の難易度があがることを理解して、これまでの経緯について必ず確認しておきましょう。

このように、オーナーチェンジ物件には一定のデメリットはありますが、事前に理解していれば、リスクヘッジできる有効な対策がとれますので、そこまで不安にならなくても大丈夫です。

次回は、オーナーチェンジ物件を購入する際のチェックポイントについて解説していきたいと思います。

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棚田 健大郎
棚田 健大郎

棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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