空室対策のため募集条件を見直せ!その流れと効果は
連載第3回目の今回は、「募集条件」に関する対策です。
立地条件と管理状態について完璧に対策をしたとしても、募集条件に問題があれば、長期空室は改善しません。
ここでは、募集条件の適正性を見極める方法や、決まりやすくする募集条件のポイントについて解説します。
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空室を埋める方法その3:募集条件の見直し
立地条件や管理状態も重要ですが、「募集条件」に問題があると結局空室は埋まりません。そこでまずは、募集条件が適正であるかどうか、以下の方法でチェックしてみましょう。
ステップ1:物件検索サイトで検索してみる
家賃相場を手っ取り早く確認するには、スーモ、ホームズ、アットホームといった物件検索サイトで検索する方法があります。
自分の所有物件と同じ条件を入力して、他の物件が大体どれくらいの家賃や礼金で募集されているのかを比較することで、現在の募集条件の適正性が見えてくるでしょう。
ポイントは、平均的な家賃よりも若干低く設定することです。
物件検索サイトに掲載されている条件は、あくまで「募集条件」であり、「成約事例」ではありません。
特に夏場などの閑散期については、募集条件通りに決まることは少なく、そこから多少の値下げを経て決まっていることがほとんどなので、他の競合物件の条件よりも低めに設定することをおすすめします。
ステップ2:不動産会社に直接聞いてみる
物件検索サイトで相場を調べることが難しい場合は、直接不動産会社に聞いてみるという方法もあります。この際、管理を委託している管理会社だけではなく、物件最寄駅周辺の不動産会社に直接足を運んで聞いてみると、より現実的な金額がわかるためおすすめです。
知らない不動産会社に行くことに抵抗があるという大家さんもいるかもしれませんが、閑散期の不動産会社は日中暇なため、突然来店しても意外と丁寧に対応してくれるケースが多いので心配いりません。
また、自主管理をしているようであれば、一緒に募集図面を持参して紹介してもらうよう営業するとよいでしょう。
値下げに踏み切れない大家さんへ
募集条件が他より高いことがわかっても、なかなか値下げに踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。
確かに、自分の物件の家賃が値下がりしていくことは、資産価値の低下につながるという印象があるため、どうしても値下げはしたくないと考えるのも無理もないでしょう。
ただ一番大切なことは、「年間収支」であることを忘れてはいけません。
3ヶ月空室が続けば8万円×3ヶ月で24万円の損失が出るため、年間収益は72万円です。
仮に家賃を7万5千円に値下げして空室期間なしで決まった場合、年間収益は90万円です。家賃8万円で入居した人が4年間居住した時に、両者の収支がやっと逆転しますが、そもそも割高な家賃で入居した人が4年間も住むことは考え難いでしょう。
このように、家賃にこだわっても、結局のところ収支の上では家賃を下げて早く決めた方が得をすることが多いのです。家賃にこだわって家賃値下げの決断が遅くなればなるほど、損失が膨らむことを忘れてはいけません。
値下げ以外にできる対策
募集条件の対策は、家賃や礼金を値下げするだけではなく、その他にも様々な方法があります。ここでは、中でも効果的な2つの方法についてご紹介します。
フリーレントをつける
住み替えのお客さんが部屋探しをするときに最も懸念することが、「家賃の重複」です。
通常は、引越し先の物件が決まってから、今住んでいる物件の解約通知を出します。
多くの場合、そこから1ヶ月程度は今の物件の家賃がかかり続けますが、新しく入る物件の家賃についても2週間程度で開始してくるため、どうしても数週間の家賃が重複してしまうのです。
そこで「フリーレント(家賃無料期間)」を1ヶ月ほどつけてあげることで、家賃重複の懸念が払拭されて、成約に結びつきやすくなるのです。
フリーレントという手法は、閑散期の賃貸募集において徐々に定着してきている対策なので、どうしても家賃を値下げできない状況であれば、フリーレントを試してみることをおすすめします。
ペット可の物件にする
日本のペット市場については、年々拡大しているそうなので、ペット可物件についても需要は増えていると考えられます。ただ、ペット可の物件は非常に少なく、お客さんに選択肢がほとんどないような状況のため、ペット可にすることで決まりやすくなるのです。
ただし、ペット可ではない物件をペット可物件にするためには、既存の入居者の同意を取り付ける必要があります。
万が一、ペットアレルギーのような人が入居していたら、あとで大問題になるため、ペット可物件にする場合は、必ず既存の入居者に話して同意をもらうようにしましょう。
おわりに
今回は、全3回に分けて空室を埋めるための具体的な対策について解説してきました。
- 立地条件対策
- 管理状態の改善
- 募集条件の見直し
この3つが「空室対策の3本柱」ですので、まずは徹底的に問題点を洗い出して、1つずつ改善していくことがとても重要です。
また、これら以外にも「案内用の鍵を現地に設置する」、「解約予告を2ヶ月前にして募集期間を長く確保する」などの対策も有効ですので、上記と合わせて検討してみてください。
空室は大家さんが動けば、必ず埋まります。
不動産会社任せにせずに、自ら動くことを心がけましょう。
不動産投資は、立地で決まる。人口動向や賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは
- 第1回:決まらない物件の特徴と、立地が悪い物件の空室対策
- 第2回:空室の原因に?管理状態のチェックポイントと改善策
第3回:空室対策のため募集条件を見直せ!その流れと効果は