借地権付き物件への投資①「借地権」とは?
不動産投資で購入しようとする建物が、借地権の付いた土地の上に建っていた場合、なんだかややこしそうだから…と投資の対象外にする方もいるのではないでしょうか。
しかし、場合によっては、借地権付きの物件を買ったほうがお得な場合もあります。
前編では、借地権について簡単に説明し、後編では借地権物件のメリット・デメリットや、「底地」を買って所有権にする方法などをご紹介したいと思います。
【1分で分かる!新築一棟投資の魅力とは?】東京圏・駅徒歩10分圏内の物件紹介はこちら
借地権とは
まず、「借地権」とは何なのか説明します。
借地権は「建物の所有を目的とする地上権または土地の貸借権」と定義されます。
端的にいうと、誰かの土地を借りて、その土地の上に建物を建てることができる権利のことをいいます。
ですので、青空駐車場や資材置き場のために借りている場合には、建物の所有を目的としていませんので、一般的に借地権には含まれません。
「旧借地法」と「借地借家法」の違い
平成4年8月1日にこれまでの「借地法(以下、旧借地法)」、「借家法」、「建物の保護に関する法律」が統一され、「借地借家法」に一本化されました。
したがって、借地借家法の施行後に交わされた借地契約は、この借地借家法が適用されます。
しかし、これより前に、すでに契約されているものについては、旧借地法が適用されることになっています。
これは借地人保護の観点から、更新などの地主に有利な内容に関しては、旧借地法が適用されることになっているため、やや複雑な状態となっています。
分かりやすく以下に一覧にしてみました。
大まかに、以下のような違いがありますが、旧借地法では、建物の構造により、堅固建物(ブロック造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)と非堅固建物(木造など)に分けられ、借地契約の期間が異なっていることなどが特徴です。
定期借地権とは
借地権にはこれらのほかに、定期借地権というものがあります。
定期借地権は上記の借地借家法に設けられた制度で、
●一般定期借地権
●建物譲渡特約付借地権
●事業用定期借地権
に分けられます。
これまでは、借地人が強力に保護されており、地主がいったん土地を貸してしまうと、はじめの契約期間が終わっても、正当事由がない限り土地を返してもらうことが難しい状況でした。
そこで、地主が安心して有効な土地利用をできるようにと、契約の更新がなく、契約期間後に土地が確実に返ってくる定期借地権の制度が必要とされたのです。
それぞれの詳細は割愛しますが、期間満了後に確実に返ってくるのが、定期借地権の大きな特徴であることを覚えておいていただければと思います。
借地権付きの土地の所有権=「底地」
借地権に対して、「底地」というものがあります。
底地は、「借地権が付いている場合の土地の所有権」のことをいいます。
下図のように、借地権の反対とイメージすると分かりやすいと思います。
ちなみに借地権と底地が一緒になると、完全所有権という状態になります。
単に所有権ともいわれますが、これは、土地を自由に使用・収益・処分できる権利ですので、借地権や底地とちがい、一番強い権利となります。その結果、価値も当然高くなります。
次回は、不動産投資で借地権付き物件を購入するメリットとデメリットを解説いたします。
関連記事
人口動向・賃貸需要に合わせた「新築一棟投資法」とは?無料解説書籍はこちら