外国人入居者を取り込む?メリットとリスクとは
外国人需要を取り込むことは、不動産投資で成功するためのポイントになりそうだということは、前半 でご理解いただけたかと思います。
後半は、実際に外国人入居者を受け入れるメリットやリスク、そして対策などについて迫っていきたいと思います。
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外国人受け入れのメリット
不動産投資において外国人を入居させることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1:空室が決まりやすくなる
昔に比べれば、外国人を入居可能としている賃貸物件は増えていますが、それでも日本人と比べると入居審査のハードルは高いと言わざるをえない状況にあります。
つまり、需要は高まっているにもかかわらず、供給が思うように伸びていない市場なのです。
そのような状況下で、外国人を積極的に受け入れる方針をとれば、必然的に外国人の入居者で早めに空室がうまるようになります。
メリット2:居住年数が長い
外国人の方は入居審査のハードルが高いことから、なかなか思うように部屋が見つかりません。そのため、一度入居した外国人は、日本人よりも長く住んでくれる傾向があります。
最近では、敷金礼金ゼロゼロ物件なども増えているため、物件をえり好みできる日本人は、2年以内に退去してしまう方も少なくありませんが、選択肢が限られている外国人の方については、そこまで頻繁に引越す可能性は低いでしょう。
居住年数が長くなれば、その分空室リスクが減りますので賃貸経営も安定するというメリットがあるのです。
メリット3:紹介が多い
外国人が退去する際には、後輩や知り合いの外国人を紹介してくれるケースがよくあります。
外国人同士のコミュニティーはそれなりに強いため、誰かが退去するとなると、そこにそのまま住みたいという外国人が現れて、大家に直接紹介してくれるのです。
メリット4:相場より割高でも決まる
現時点では貸し手市場の状態なので、相場よりも若干割高な家賃で募集したとしても、外国人を積極的に入居可能とすることで、問題なく決まる可能性が高いです。
特に立地がよい駅から徒歩5分圏内の物件については、外国人が入居できる物件が限られてくるため、家賃を高めに設定しても決まるというメリットがあります。
外国人の好む設備について
外国人だからバストイレ別ではなく、3点式のユニットバスでも問題ないのかとよく聞かれますが、私の経験では意外と外国人の方もバストイレ別を希望する傾向があるように感じます。
確かに海外ではバストイレ一緒のタイプも多いようですが、日本の都市部にある物件のユニットバスは、スペースが非常に狭く、体の大きい外国人にとっては窮屈なのかもしれません。
また、畳についても和を感じることで人気かと思いきや、民泊など短期間での利用であればメリットになるものの、長期間住むとなると、扱いの難しい和室ではなく、フローリングを好むようです。
外国人を受け入れる側の大家のリスク
外国人入居者を積極的に受け入れることは、賃貸経営の戦略上とても有効ですが、一方で次のようなリスクもあるため注意が必要です。
ゴミ捨てトラブル
外国人入居者については、なかには日本に来て間もない人もいますので、入居前に日本の生活ルールについて細かく教える必要が出てきます。
例えば、ゴミの分別についても東京都については非常に細かく、ゴミを出す日や時間も決まっているため、決まり事を守るよう徹底させることが重要です。
言葉についても日本語が完璧に通じない人もいますので、外国語でインフォメーションなどを作成して部屋に設置するなどといった、ある意味民泊のような対策も必要になるでしょう。
又貸しトラブル
海外では部屋を知り合いに又貸しするケースもあるようですが、日本では原則として部屋の又貸しは禁止されているケースがほとんどです。
外国人の中には、大家に断りなく、そのまま知り合いを住まわせてしまうことがあるので、引き渡しをする際に又貸しは禁止である旨を、丁寧に説明しましょう。
独特の匂いがつく
日本人は気が付きませんが、外国の方からすると日本の空港や日本人には独特の醤油の匂いを感じることがあるそうです。
それと同じで外国人についても、その国の食材や料理に由来する独特の匂いがあるため、退去した際にその匂いがなかなか取れない場合があります(ニンニク、油、香辛料など)。
勝手に国に帰る
最近は減っていますが、外国人入居者が珍しかった15年ほど前までは、事前に大家に退去通知をせず、荷物を置いたまま勝手に帰国してそれっきりになってしまうケースが多々ありました。
本国に帰国されてしまうと、実質的には手の打ちようがないため、対処が難しいトラブルです。
外国人リスクを回避する有効な対策とは?
外国人を入居させる際には、次のような対策を講じることが重要です。
在留資格を確認する
外国人から入居申し込みがあったら、必ず「在留カード」の写しを提出してもらいましょう。
在留カードには在留資格が記載されていますので、実際の仕事内容と在留資格がリンクしているかを確認します。
また、有効期限が切れていると不法滞在になってしまうので、日付についても必ず確認が必要です。
保証会社を利用してもらう
外国人入居者については、日本人の連帯保証人を立てるよりも、保証会社を利用してもらった方が、より確実に家賃滞納などのトラブルを担保できます。
特に先ほどリスクで解説したように、勝手に本国に帰国してしまったような場合でも、保証会社を利用していれば、保証会社が明け渡しまで責任をもって対応してくれるため安心です。
できれば、保証会社を利用してもらい、別途身元保証人や緊急連絡先で日本人を立ててもらうと一番確実でしょう。
外国人スタッフのいる不動産会社に依頼する
最近では、中国人や韓国人、ベトナム人などを中心に、外国人のスタッフがいる不動産会社も増えてきました。
入居する外国人の中には、日本語がまだ苦手な人も多くいますので、外国人スタッフがいる不動産会社に仲介や管理を委託すると、よりトラブル防止につながります。
まとめ
今回は、外国人入居者について取り上げて解説してきました。
今後外国人居住者が増えることはほぼ確実ですから、賃貸需要として積極的に取り込むことは、不動産投資の1つの戦略としてとても有効です。
ただし、複数のメリットがある一方で一定のリスクも伴いますので、今回ご紹介したような対策も踏まえて検討するとよいでしょう。
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