不動産投資コラム

購入前に要確認!収益物件「現地調査」のポイント

行政書士棚田 健大郎
購入前に要確認!収益物件「現地調査」のポイント

よい物件を購入するには、よさそうな物件を探して見つけ、できるだけ早く「現地調査」を行い、問題なければすぐ手続きを進める必要があります。

現地調査で見落としを防ぐためには、事前に見るべきポイントを整理しておくことがとても大切です。

そこで今回は、購入前に行う収益物件の「現地調査」のポイントについて詳しく解説します。

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不動産投資における「現地調査」とは

不動産投資における現地調査とは、購入予定の物件を現地まで確認に行くことで、購入後の予想外のトラブルを防止するとともに、本当に投資に値する物件なのかを見定めることを目的としています。

では、具体的に現地でどのような点について確認すればよいのでしょうか。

現地調査で見るべきポイント

現地調査のポイントは大きく分けると、チラシやインターネットなど記載されていた「情報との整合性の確認」と、それらに「記載されていない情報の確認」の2点です。

具体的なチェックポイントについて解説していきます。

チェックポイント1:周辺環境の確認

周辺環境
現地調査をする際には、物件ばかりに気をとられがちですが、実は周辺環境の調査確認もとても大切です。
チラシには閑静な住宅街と書かれていたとしても、実際に行ってみると近くに公園があって子供の声がうるさかったということはよくあります。

周辺環境で見るべきポイントとしては次の通りです。

駅からの徒歩分数

実際に歩いてみるのが一番確実です。最短距離だけでなく、夜間歩くことを想定して、街灯があるなど安全な道のりも確認することをおすすめします。

生活環境

スーパーやコンビニなど生活に必要な施設が近所にあるのか、実際に足を運んで確認します。

周辺の地理

最近はグーグルマップがあるのである程度の状況はわかりますが、注意しなければならないのが高低差です。地図上では平面になっているので気が付きにくいのですが、実際に行ってみると駅からかなりの上り坂だった、ということは少なくありません。

鳥類の生息

意外と見落としがちなのが、ハトやカラス、ムクドリといった鳥類の生息の有無です。
地域によっては、これらの鳥類のせいで次のような深刻な問題が発生しているケースがあります。

ハト:敷地内や建物、ベランダへの糞の被害
カラス:ゴミ捨て場が荒らされる
ムクドリ:鳴き声がうるさい、糞の被害

物件周辺に鳥の糞があまりにも多い場合は、これらの被害が懸念されますので周辺住民に聞き込みをするなどよく調べてから決断することをおすすめします。

チェックポイント2:建物の外周など

建物の外周

投資物件は入居中で室内が確認できないことも多いので、建物の外周沿いのチェックがとても重要になってきます。

日当たり、風通し

周りの建物との距離間などから、室内の日当たり具合を確認します。都心部ではチラシで南向きとなっていても、実際に行ってみると目の前がマンションということがよくあるので必ず確認が必要です。

騒音、振動

近隣に高速道路や鉄道が通っている場合は、騒音や振動がどの程度建物に影響しているのかを確認する必要があります。
室内に入れない場合でも、建物内に入ればある程度は感じ取ることができます。

清掃状態(中古物件の場合)

建物の保存状態を推し量るうえでとても参考になるのが、物件共用部の清掃管理状態です。私の経験上、エントランスやメールボックス周辺がきれいに清掃されている物件は、建物自体の保存状態がよいという傾向があります。

反対に、メールボックスからチラシがあふれたまま放置されているような物件は、現オーナーが管理に無頓着というケースが多く、建物自体の保存状態が悪いことが多いです。

チェックポイント3:室内の広さと設備

室内の広さと設備

空室で室内のチェックが可能な場合は、事前にもらっていた間取りや室内設備との整合性を必ずチェックしましょう。というのも、不動産会社が作成した間取り図は、新築時を除くと意外と間違っていることがあるからです。

特に築古物件になってくると、手書きで間取り図を描いているケースもあり、実際と形や広さが違うことがよくあります。
室内設備もあると聞いていたものがない、ということはよくあるので必ず確認しましょう。

なお、物件が賃貸中の場合は室内の確認ができません。
たとえ不動産会社から鍵を借りられたとしても、勝手に部屋に入るとトラブルになります。どうしても室内を確認したい場合は、事前に打ち合わせをしたうえで入居者立ち合いにて行いましょう。

現地調査の効果を高める方法

現地調査をする時に一番おすすめしたいことは、近隣住民への聞き込みです。
特に自分の土地勘のない地域の物件を購入する際には、近所の人でなければ知らないことを知ることができるのでとても有効といえます。

  • 近所にトラブルメーカーのような住人が住んでいる
  • 雨の際の水はけが悪く、マンホールからよく溢れている
  • その他町内会で問題になっていること

単なる世間話で終わることもありますが、会話のなかから上記のような重要な事実が判明することも少なくありません。これらの情報は不動産会社でも知らないことが多い貴重な情報です。

意外と聞けば教えてくれるので、恥ずかしがらずに聞いてみることをおすすめします。

まとめ

物件によっては現地調査をせずに、購入を決断しなければならない場面もあるかもしれません。

実際、区分マンションであれば現地調査を省略してもそこまで大きなリスクはありませんが、一棟もののアパートやマンションについては、失敗した時のダメージがとても大きくなります。

そのため、どんなに急いでいる場合でも現地確認をして、今回ご紹介した部分について確認することをおすすめします。

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棚田 健大郎

行政書士

棚田 健大郎

行政書士

大手人材派遣会社、不動産関連上場会社でのトップセールスマン・管理職を経て独立。棚田行政書士リーガル法務事務所を設立。現在に至る。

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