不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

経営セーフティー共済と小規模企業共済どちらが有利?

現在法人で1棟物マンションを持っています(法人代表は妻で社員はいません)。

修繕積立として、また退職金として、積み立てをしようと思いますが、経営セーフティー共済と小規模企業共済のどちらを使うと有利なのでしょうか?

また、経営セーフティー共済と小規模企業共済は、どう違うのでしょうか?
目的によって使い分けるのがよいでしょうか。

法人の所得を抑えたいのか、個人の所得を抑えたいのかによって異なります。

経営セーフティー共済

会社で加入(法人の所得を抑えたい場合)
※個人でも加入できますが、事業所得者でないと経費計上することができません。

小規模企業共済

個人で加入(個人の所得を抑えたい場合)

途中解約

経営セーフティー共済

40ヵ月(3年半)掛ければ、100%戻ります。

小規模企業共済

20年かければ、途中解約でも100%戻ってきます。
※廃業や役員の退任などの共済事由が生じれば100%以上戻ります。

早期に解約を予定しているのであれば、経営セーフティー共済がよいと思います。

税金

経営セーフティー共済

掛け金を掛けたときに全額経費、戻るときは全額収入になることから、課税の繰り延べ(先送り)に過ぎません。

小規模企業共済

掛け金を掛けたときに全額所得控除、受け取る際に「年齢によって一時所得や退職所得となり、課税される金額が少なくなる」という税金の優遇があります。

さらに、亡くなったときに相続人が受け取れば、相続税の非課税(500万円×相続人の数)枠の範囲であれば無税で受け取れます。

税金の優遇があるのは、小規模企業共済です。

物件を法人で所有されているのであれば、まずは経営セーフティー共済をかけて、余裕があれば、小規模企業共済をかければよいのではないかと考えます。

なお、経営セーフティー共済は、総額800万円までが積み立て限度になります。

2018/10/14

手間をかけずに将来に備えた資産をつくる…空室リスクが低い不動産投資とは?

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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