同族法人の相続税の株価は、日経平均株価の上昇と連動して上昇するの?
法人で賃貸経営をしています。
最近、日経平均株価が最高値を更新しています。
法人(非上場会社)の株式も連動して上がってしまい、相続税が高くなることはありますか?
日経平均の上昇は、非上場株式の評価額に影響する可能性があります。
日経平均株価の上昇は、法人(非上場会社)の株式評価額に影響を与える可能性があります。
1. 非上場株式の評価方法
非上場会社の株式(合同会社の場合は、出資金)の評価は、「純資産価額」と、「類似業種比準価額」をミックスして、算出することになっています。
純資産価額
会社が保有する資産と負債から財産額を評価する方法。含み益に対して37%の法人税相当額が控除されます。
類似業種比準価額
類似する業種の上場株式の株価を、『配当』・『利益』・『純資産』の観点から比較して、価格を修正して自社の株価を算定する方法です。
この類似業種比準価額が上場株式の株価を基準にしていることから、その株価が上がることで連動して、同族法人の株価も上がることになります。
2. 評価額に影響する株価の基準
類似業種比準価額方式では、評価に用いる株価として「直近の株価そのもの」ではなく、以下のような一定期間の平均値の中で最も低い価格を選択可能です。
・課税時期の属する月の平均株価
・課税時期の属する前月の平均株価
・課税時期の属する前々月の平均株価
・前年度の年間平均株価
・課税時期以前2年間の平均株価
例えば、日経平均株価が直前に急騰していたとしても直近3か月の中で急騰前の月が低い水準であれば、その月の株価を基準に評価することができます。
また過去2年間の平均値が低ければ、それを選択することも可能です。
この仕組みによって、日経平均株価の瞬間的な高騰が直ちに評価額に反映されることを防ぐ効果があります。
ただし日経平均株価が長期的に高い水準で推移する場合、類似業種の株価もそれに伴い高くなり結果として非上場株式の評価額が上昇する可能性があります。
このような状況が続けば、相続税の負担が増加することが懸念されます。
3. 相続税対策のポイント
株価が上昇する対策としては、生前贈与の活用があります。
とくに相続時精算課税制度による生前贈与は上昇する財産に対して有効です。
相続時精算課税制度による贈与をすると、将来の相続財産として相続税の課税が行われます。
しかし贈与時点の評価額で贈与財産を固定し、その金額を相続税の計算に含める仕組みになっています。
贈与時点での価格が基準となるため、その後の価値変動が反映されないメリットがあります。
2026/01/16
今の日本の人口動向に沿って設計「新築一棟投資法」とは?解説本無料プレゼント
回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士