不動産投資のQA

これって経費になるの、ならないの?確定申告する場合の項目はなに?そんな疑問に大家専門の税理士がお答えします。

専従者給与の経費計上漏れ。確定申告を後から修正できる?

毎年、賃貸経営で青色申告をしています。
ここ数年、税金が高くなっています。

同居している子どもに給与を出しているのですが、経費計上していませんでした。
修正して給与を経費にすることは可能でしょうか?

同居しているお子さんに給与を支払っている場合、その給与を経費として計上することは可能ですが、いくつか注意点があります。

青色事業専従者の届け出が出ているか

同居しているお子さんに給与を支払う場合、その給与を経費にするためには、お子さんが「青色事業専従者」に該当する必要があります。

まず、税務署に事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出していることが要件になります。
届け出が出されているか確認をしてください。

出されていない場合には、過去の修正はできません。

届け出をすることで、来年以降の専従者給与を経費にすることができます。
(6ヶ月もしくは従事可能期間の1/2を超えて従事期間が必要になりますので、1年のうち半年以上経過していると、届け出を出してもその年の経費にはできないことになります)

支払う給与が「労働の対価」として適正な金額か

お子さんに支払う給与が「労働の対価」として適正であることを証明する必要があります。

修正(更正の請求)によって経費を認めてもらう場合には、納税者がその事実を立証しなければなりません。

・労働として何を行っているのか。
・どのくらいの時間行っていたのか。
を説明しなければなりません。

勤務の記録など証明できるものがあるとよいでしょう。

支払いの実態があるか

「届出書に記載されている金額の範囲内で支払われた」ことが必要です。

振り込みの履歴などで支払いの実績があるとよいでしょう。

また、一定の給与以上は、源泉徴収や年末調整が必要です。

源泉徴収や年末調整がされていないと、本当に給与として支払っていたのか疑われる可能性があります。

修正できる期間

更正の請求によって修正が可能な期限は法定申告期限から5年以内です。
上記の要件を満たしていれば、税金が還付されることになります。

ただし、身内への給与については、税務署は厳しく見る可能性があります。
詳しく調べるために税務調査に発展する可能性があることを覚悟しておきましょう。

2025/01/17

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渡邊 浩滋

税理士・司法書士

渡邊 浩滋

税理士・司法書士

経営難だった実家のアパート経営を大きく改善し、大家さん専門の税理士事務所を設立。北海道から沖縄まで幅広く相談を受ける。セミナー、出版、連載など多方面で活躍。専門税理士ネットワーク『knees』メンバー。

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