原状回復の定額支払(修繕パック)は経費になる?
修繕パックとは、入居者の退去に伴い発生する修繕費を、退去の都度支払うのではなく、毎月一定額を払うことで、退去時に原状回復工事をしてもらえるというサービスです。
支払いは、毎月定額の支払いと、契約締結時にまとまったお金として「契約一時金」の2種類あります。
支払った金額は途中で契約が解除しても、一切返還はありません。
どちらも支払った年に経費にしてよいでしょうか?
会計上のルールに「発生主義」というものがあります。
これは、『金銭のやり取りに関係なく取引が発生した事実に基づいて、その事実が発生した時点で収益と費用を認識する』という考え方です。
発生主義では、実際に修繕が発生していないのに費用計上することはできませんし、修繕が発生したにもかかわらず、費用計上しないこともできません。
しかし、今回のような修繕パックは、分譲マンションの修繕積立金に近いのかと思います。
修繕積立金については、次の要件を満たす場合には支出時に経費にすることができるとされています。
ご質問の修繕パックについても、契約において支払い義務が発生し、途中解約しても返還されず、決められた原状回復工事のみに使われることであれば、支払時に経費にできると考えます。
なお、一時金についてはその年の経費にできず、繰延資産として計上し期間に応じて償却(経費)していくことになります。
償却期間は5年ですが契約期間が5年未満で契約の更新に際して再び一時金を払うことが明らかである場合には、契約期間になります。
2025/01/24
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回答者渡邊 浩滋
税理士・司法書士